食品の「商品企画」「商品開発」に求められる能力やスキルとは?

パソコンで調べものをする女性

新商品の企画や開発は、企業にとって未来の売上を確保するために重要な業務です。

しかし次々に生み出される新商品の中で、人気商品となるものは一握りにすぎません。

食品業界では、新商品がヒット商品になる確率は100分の1とも1000分の1とも言われています。

仮にヒット商品になれても、消費者が飽きてしまえば、やがて売上は落ちていってしまいます。

だからこそ、企業は継続的に新商品の企画・開発を行っていく必要があるのです。

商品企画や商品開発の仕事は、自分の企画・開発した商品が世の中に流通していくことに面白みややりがいを感じる方が多く、非常に人気の職種です。

今回は商品企画や商品開発を目指す方へ、求められる能力やスキルについてご紹介します。

商品企画・商品開発の仕事とは

商品企画と商品開発の仕事には、「新しい商品を生み出す仕事」と「既存の商品に改善を加える仕事」があります。

商品の企画から完成までには早いもので2~3ヶ月、長いものでは数年かかるなど、商品の特性などによっても様々ですが、いずれの場合も仕事の流れに大きな違いはありません。

商品企画と商品開発は「新しいものを作る」というイメージからか、非常に混同されやすい職種です。

実際に企業規模によっては、一つのポジションで対応している場合もあります。

特に中小企業などでは商品企画と商品開発の部門が分かれていることは珍しく、商品企画者が開発業務を担っていたり、または外部企業に委託していることが多いようです。

大手企業では、多くの企業が商品企画と商品開発の部門を別に設けています。

どちらの仕事もクリエイティブでキラキラした派手な職種だとイメージされるようですが、実際には地道でコツコツとした仕事です。

また、企画が通るまでひたすら考え続けるなど、忍耐力が求められる仕事でもあります。

では商品企画と商品開発、それぞれの仕事と求められる能力・スキルを詳しくみていきましょう。

商品企画の仕事と求められる能力・スキル

商品の企画には、まず対象となる客層やターゲットの嗜好・志向、シーズン毎の市場の動きや流行、競合他社の動向など、様々な情報の分析が必要となります。

こうした分析に基づいて商品およびデザインのコンセプトやブランドイメージ、仕様や価格を設定し、商品アイデアを考えていくのが、商品企画の仕事です。

例えば食品の企画を行う際には、市場調査として様々な店舗の商品を食べ歩きます。人気の味を求めて全国行脚ということも珍しくありません。

そのためフットワークが軽く、食べることが好きであるということが大きなポイントです。

充分に市場調査を行ったら、それらの情報をもとに複数のアイデアを出します。

さらに各部門等との会議を行いながらいくつかに絞り込み、企画書を作成していきます。

ある程度企画がまとまったら経営陣へのプレゼンテーションを行い、企画が通れば晴れて商品化が決定です。

その後、開発部門、生産部門との調整を行い、商品が出来上がります。

しかし、商品が出来上がってからも商品企画の仕事は終わりません。

消費者に新しい商品を購入してもらうために、販売促進や宣伝方法などの販売戦略も並行して考える必要があります。

そして1年に数えきれないほどの新商品、リニューアル商品が販売される中で、一握りの商品がヒット商品となっていくのです。

食品の商品企画に求められる能力・スキルは以下です。

  • 何よりも食べることが好きであること、食への興味関心
  • 食のためなら遠出も苦にならない、フットワークの軽さ
  • より沢山の情報を収集し分析する、リサーチ力
  • 常識にとらわれない、自由な発想力
  • 社内の関連部門や経営陣との調整を可能にする、コミュニケーション力
  • 物事を論理的に説明できる、プレゼンテーション力

商品開発の仕事と求められる能力・スキル

ファイルを持ったスーツの女性

商品開発は、主に商品企画の際に設定された商品コンセプトや仕様に基づいて、試作品を開発していく仕事です。

製造工程やコストの調整なども行いながら食品原料等の配合を考え、試作品づくりや製造現場でのテストを何度も何度も繰り返します。

配合量のわずかな違いによって味が大きく変わることもあるため、非常に重要なプロセスです。

また併せて栄養成分測定などの食品分析も行います。

途中で経営陣や工場長などにプレゼンテーションを行い、アドバイスを仰ぎながら少しずつ完成形を作り上げていきます。

試作品が出来上がったら社内や消費者モニターなどへ試食調査を行い、その結果を考慮して新商品が決定されます。

商品開発においても味や食感、見た目などを決めるには、情報収集が欠かせません。商品開発者にとっても、食べ歩きは日常業務の一つです。

また、既存の味や食感についての知識や理解も必要となります。

食品を口にした際に、どのような材料や調味料が使用されているかイメージできなければ、新しい発想は生まれません。

一般的に、トラブルや新たな課題で困ったときは専門書を読んだり、上司に意見を求めたりすることが多いですが、開発はそれだけでは目的を完遂することができません。

開発で大切なのは、知識や経験を学んだ後に「考える」ということです。

このため、考えるというプロセスを常に持つことが、根底として必要になります。

思考プロセスを作る・鍛えるには、新しい知識に興味を持つこと、開発することが“楽しい”と感じることが何よりも重要な能力となり、開発者の土台となるスキルだと言えるでしょう。

食品の商品開発に求められる能力・スキルは以下です。

  • 何よりも食べることが好きであること、食への興味関心
  • 食品学や栄養学、化学などに関する知識
  • 食品に使われている材料や調味料で大体の味や食感がイメージできる想像力
  • より沢山の情報を収集し分析する、リサーチ力
  • 社内の関連部門や経営陣との調整を可能にする、コミュニケーション力
  • 一つのことを粘り強くコツコツと続けていく根気強さ

以上、商品企画者や商品開発者に求められる能力・スキルについてご紹介しました。

商品企画や商品開発の仕事に携わってみたいという方や、現在転職に向けて動き出しているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

面接では、自分にどのような能力や個性があり、“どれだけ向いているか”をアピールすることが大切ですよ。

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