商品開発について紹介する連載。第6回は「商品開発で働く人たちの1日のスケジュール」です。

商品開発の仕事に就きたいと考えている方の中には、「実際に商品開発の仕事をしている人の1日のスケジュールが知りたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、食品系の会社で商品開発の仕事に携わる方々のある1日のスケジュールをご紹介します。

食品メーカーD社：Nさん

D社の商品開発課で食品開発に携わっているNさん。Nさんのある1日のスケジュールを見ていきましょう。

9：00　出勤

朝礼後、メンバー全員で簡単に職場の掃除をおこないます。

9：30　試作品の作製

営業が取引先に持参する試作品（サンプル）をつくります。場合によっては営業に同行し、商談に参加します。

13：00　昼食休憩

ランチは主に食堂で、同僚と一緒に取っています。

14：00　再び試作品の作製

来週実施される試食会に向けて、アイデアを詰めていきます。日によっては、プロジェクト会議への参加や、MR品の立ち合いもおこないます。

16：00　書類の作成

取引先に提出する仕様書を作成。

18：00　退社

お疲れ様でした。

【D社の商品開発】

主に惣菜の生産販売をおこなっているD社の商品開発課は、サラダ・和惣菜の2チームに分かれています。

Nさんは、和惣菜のチームで煮物や和え物などの開発をおこなっています。

Nさんが担う業務は、実際に商品を作る業務に加えて事務仕事も多く、多岐に渡ります。

• 企画内容などを基にした試作品の作製
• 原価計算や原材料の選定
• 栄養計算や仕様書・表示ラベル等の作成
• 試作品の試食会実施
• 試食会のための調理・盛り付け
• 関連部署との打合せ
• 各種資料作成、など

食品中間流通業M社：Aさん

M社の商品開発本部で働くAさん。Aさんのある1日のスケジュールを見ていきましょう。

9：00　出社

メールチェックなどをおこないます。

10：00　メーカーとの打ち合わせ

取引先メーカーを訪問し、販売状況や生産数を確認します。

11：00　資料作成

売り上げデータを精査し、実績を確認。

13：00　商談に参加

新商品のデザインの商談に参加。サンプルチェックなどをおこないます。

16：00　資料作成

商談の内容をまとめた報告書を作成。今後の課題や要点をまとめます。

18：00　退社

お疲れ様でした。

【M社の商品開発】

M社は中間流通業だけではなく、「食」にかかわるいろいろなビジネスを展開しており、そのひとつがオリジナル商品の開発です。

Aさんが働く商品開発本部は、企画やブランディングなどが主な仕事。

Aさんは国内商品の開発をおこない、加工食品や菓子類の開発から販売支援、また原料や資材の販売などをしています。

担当しているオリジナルブランドのお菓子の新しい味や風味を、生産メーカーと協議を重ね吟味します。

味と風味の吟味と言っても、そこにはアミノ酸やクエン酸、ビタミンなどの栄養素や機能性も盛り込まれるので、慎重に協議することが重要です。

K社　Yさん

粉末スープなどの商品を販売している大手食品メーカーK社の商品開発部で働いているYさん。

Yさんのある1日のスケジュールを見ていきましょう。

8：00　出社

まずはメールチェックとその日の予定を確認。

9：00　試作品作製と評価

提携企業の要望に合わせていくつかの試作品を作製し、評価します。

12：00　昼食休憩

ランチはお弁当がメイン。色どり豊かな愛妻弁当を頂きます。

13：30　関連部署との打合せ

この日は製造管理部とのミーティング。試作品や評価のデータを共有し、課題や今後の方向性について話し合います。

15：00　実験計画の作成

打ち合わせで決定した事項に沿って、今後行う実験の計画を練ります。

16：30　翌日の準備

明日の試作品作製で使用する原料や器具を準備し、出社後すぐに取り掛かれるようにしておきます。

18：30　退社

お疲れ様でした。

【Y社の商品開発】

Yさんは主にマヨネーズの開発に携わっており、提携企業と連携しながら原料の選定や配合、具体的な商品内容を固めるのが主な仕事です。

卵や酢、そして油を混ぜてマヨネーズは状態を安定化させるのが難しく、Yさんは日々「どうすれば状態が安定したマヨネーズが作れるか」と試行錯誤を繰り返しながら開発に取り組んでいます。

以上が、食品メーカーの商品開発に携わっている方々のある1日のスケジュールです。

商品開発は商品の味や風味を考えるだけでなく、鮮度を長持ちさせるための工夫や原料の選定、栄養価の測定など、商品に関するあらゆる事柄を決定する仕事です。

また試作品の検討会議や外部の人々との打ち合わせなど、社内外に関わらずコミュニケーションが多く発生します。

他にも新商品の製造に立ち会ったり、時には商品パッケージのデザインにも携わったりと、仕事内容も多岐にわたります。

今回紹介した3社の商品開発担当者の仕事内容は、扱う商品によって業務手順は異なりますが、大まかな流れはだいたい同じようです。

食品メーカーの商品開発の仕事に興味がある方は、ぜひ業務イメージの参考にしてみてくださいね。

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