食品メーカーや化粧品メーカーなど、製造を行う多くの企業には「品質管理」という職種があります。
品質管理では、どのような業務を行っているのでしょうか。
また品質管理に就くには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
今回は品質管理の仕事内容や必要なスキル、やりがいについてなど、詳しく解説していきたいと思います。
品質管理の仕事内容
品質管理の仕事は、消費者に安心で安全な製品を届けるために、製品の品質を保つ管理を行うことです。
具体的には、食品成分などの検査・分析をはじめ、従業員への衛生面に関する指導や製造環境の向上にむけた改善などを行います。
例えば食品工場で製品を作る場合、まず「何をいつまでにいくつ作る」という計画が立てられます。
生産が開始すると、品質管理では各工程の製品を検査・分析し、不良品はないか、計画書どおり生産されているかを確認します。
また同時に製造スタッフへの衛生指導や工場内の環境整備を行い、品質を担保します。
万が一不良品が見つかった場合には、「加工ミスが起きた原因は、この工程で○○だったからだ」というように、原因を特定して生産管理と共に製造工程の見直しをするなど、製造環境の改善をしていきます。
品質管理は製品の品質を担保する仕事であるため、ルーチンワークが多くなりがちです。
しかし現状に満足することなく、「分析方法のこの部分を改善できないか?」 、「管理内容を変更したら、より品質の高いものが作れるのではないか?」 と、品質の精度を高めるための新たな手法を見出すなど、創意工夫を発揮する必要があります。
品質管理に就くための必要なスキル
品質管理に就くために必要とされる代表的なスキルには、以下のようなものがあります。
- 農学や生化学、応用化学などの理系知識
- 栄養及び食品衛生の基礎理論
- HACCP、ISO9001、FSSC22000などの知識
- HPLCやGC-MSなど分析機器の使用経験
- PCスキル(Word・Excel初級~中級程度)
上記の他にも、製造現場と連携を取りながら仕事を進められる協調性や、他部署や顧客とも柔軟に対応できるコミュニケーション能力、リスクを想定して問題点を見つけ、解決に導く、論理的思考などが求められます。
品質管理職のやりがいとは
製品に問題がないように管理を行う品質管理の業務は裏方の仕事にあたるため、表立った評価や達成感をあまり感じられないかもしれません。
しかし品質管理がいなければ、製品の生産自体はできても、安心・安全で高品質な製品を提供することはできません。
たとえ繁忙期などで生産量が増えたとしても、消費者に対して質の高い「いつもの味」を提供することが、品質管理の責務です。
「高品質な製品を提供し続けるためにできることは何か」を日々考え、与えられたひとつひとつの仕事を迅速かつ正確に行うことが、お客様の満足につながり、ひいては企業の評価となります。
日々地道な作業が多い品質管理の仕事ですが、企業を支える責任重大なポジションであり、企業への貢献度が高く、やりがいのある仕事だといえるでしょう。
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