食品メーカーの重要課題、異物混入対策について

食品の製造機器

ここ2~3年に発生した異物混入問題は、社会に大きなインパクトを与え、多くの人が食の安全性について見直すきっかけともなりました。

こうした異物混入問題に対して、食品メーカーはどのような対策を行っているのかについてお伝えします。

異物混入が発生するケースは2つ

異物混入は、「うっかり入ってしまう」ケースと「わざと入れる」ケースに分かれます。

うっかりケースの防止には、チェック回数を増やすことが欠かせません。

食品メーカーは、原材料を仕入れて加工し、商品に仕上げますが、この過程ひとつひとつに、「うっかり」が発生する可能性があるのです。

そのため、「仕入れ」「一次加工」「二次加工」「完成」「出荷」の各段階において、全てに確認の工程を設けるという対策が徹底されています。

しかしこれだけでは、わざと異物を混入させようとする人を止めることはできません。

「わざと」から身を守るには、企業は性悪説に立ち、「フードディフェンス」を導入する必要があります。

フードディフェンスとはすなわち防御を固める方策のこと。

具体的には、部外者の進入禁止や監視カメラの設置、包装の強化などが挙げられます。

これらの取り組みによって人為的に異物が混入されることのないように、監視を行っています。

食品メーカーでの具体的な取り組みは?

食品の製造ラインの様子

では、企業が実際に行っている取り組みを見てみましょう。

【大手飲料メーカー】

従業員には装飾品を身に付けて工場に入ることを禁止しており、作業着にも異物を持ち込まないようポケットがありません。

また工場の出入り口には警備員と監視カメラが配置され、入場には暗証番号が必要です。

入口は二重扉で、片方の扉が開いているとき、もう一方が必ず閉まる仕組みになっており、外部の虫や異物が侵入できないよう工夫がされています。

工場内においても製造ラインはすべてカバーに覆われており、 検査機によって缶の内面にゆがみや汚れ、異物がないかを1本ずつチェックしています。

万が一異常が見つかった場合は、自動で製造ラインから取り除かれる仕組みです。

ジュースを充填する際は、事前に缶やペットボトルを目視検査した後、リンサー(業務用の洗浄機)による高圧洗浄を行い、異物混入を防いでいます。

【大手冷凍食品メーカー】

トレーサビリティを導入しています。トレーサビリティとは、商品に異常が発見されたときに、追跡(トレース)調査できる体制のことです。

原材料が納品されたら、原材料名、納品日時、メーカーのデータを記録します。

問題が発生したらすぐにそのデータを引き出し、メーカーに「●月●日に納品した▲ついて、異常がなかったか調べてほしい」と調査依頼することできるため、早期に問題解決へと結びつけることが可能です。

また製造ラインには、エックス線検査装置、品質管理カメラ、金属探知機を導入しており、海外産の原材料も輸入元や輸入商社などからサンプルを取り寄せて、自社で残留農薬や医薬品の分析を行っています。

製品チェックは製品完成後と製品を段ボールに詰めた後にも行い、徹底して異物混入を防いでいます。


食品業界にとっての重要課題とも言える異物混入対策。

上記の例のように、食品メーカー各社は異物混入が起こらないためのさまざまな取り組みを行っています。

今後もこうした取り組みはより改善され、問題の抑止力を高めていくはずです。

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