食品メーカーへの就職を考える時、「食品業界の現状や将来性はどうなのだろうか?」というのは気になるところではないでしょうか。
そこで今回は、食品業界の動向や今後の展望などについてお伝えします。
近年の食品業界動向は?
まずは食品業界の動向について見てみましょう。
平成25-26年の国内の主な食品メーカー126社の売上高合計は18兆0,388億円となっており、平成17年から平成25年にかけて緩やかに増加を続けています。
一見順調に推移しているように見えますが、常に追い風を受けてきたわけではありません。
平成20年に起きた100年に一度の金融危機と言われるリーマン・ショックでは、世界的な不況の影響がその後も数年に渡って続きました。
そのため消費者の購買意欲は年々低下し、他の業界と同様に食品業界の業績も伸び悩んだ時期がありました。
しかし平成24年の政権交代以降、アベノミクスの影響によって国内の景気が回復に向かったため、消費者の購買意欲が再び上昇し、現在では食品業界の売上にも増加の傾向が見られるようになりました。
円安、天候不順が値上げの要因に
国内景気の回復により消費者の購買意欲が上昇を見せる一方で、急速に進んだ円安状態は、原材料の多くを輸入に頼る日本の食品メーカーに、不利な影響を与えました。
特に輸入原材料の占める割合が大きいチョコレートやワイン、洋酒などの商品では、相次いで販売価格の値上げが行われる展開に。
中には値段を変更せずとも内容量を減らすなどの「実質的な値上げ」を行うケースも見られました。
また円安に加え、近年世界各地で発生している異常気象も、原材料仕入れの不安定さにつながる要因となっています。
今後は将来を見据えた海外展開が加速
「食」は私たちの生活に欠かせないものであるため、従来、食品業界は不況に強いとされてきました。
しかし今後国内は少子高齢化が加速し、人口減少を背景に食品の市場規模が減少していくことが予測されています。
近年ではこうした状況に対応すべく、海外展開に活路を見出す食品メーカーも増えてきています。
既に大手食品メーカー各社は、東南アジアを始め、欧米なども含む海外への事業展開を開始しており、今後もこの動きは活発化していくと考えられるでしょう。
国内では機能性食品市場に注目
またその一方で、国内市場における業績拡大の可能性として上げられているのが機能性食品です。
現在各メーカーでは、今後増えていく高齢者へ向けた商品の開発やマーケティングに多くの時間を裂き、ヒット商品を作ることを目指した活動を続けています。
近年では機能性食品の市場に異業界からの参入も相次いでおり、非常に注目が高まっている分野です。
先に述べたように、高齢化社会を迎えるにあたり食品業界の国内市場は縮小していくと考えられています。
そのため食品メーカーには海外進出が必至であると予想されていますが、国内においてもまた、新たな市場の開拓や発展が不可欠です。
更に今後は、商品の品質の高さや安全性はもちろん、環境への配慮や話題性など付加価値の提供も求められていくと考えられます。
多様化していく消費者ニーズに今以上に応えられるための事業展開が必要になるでしょう。
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