日本では多くの人が、高校で文系か理系かを選択し、文系なら国語や英語、社会などの文系科目に、理系なら数学や理科などの理数系科目に重点を置いて勉強するようになります。
そして、それはそのまま大学の学部選択にも直結します。
さらに弁護士を目指すなら法学部を、医師を目指すなら医学部を出る必要があるように、大学の出身学部によってその後の職業もある程度決まってくるため、文系と理系のどちらを選べばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は文系と理系を比較し、どちらの方がより多く収入を得られるのか検証してみましょう。
給料は理系の方が高い傾向にある
2009年に行われた大卒者の平均年収調査によると、理系学部出身者の平均年収は638万円、これに対し文系学部出身者は551万円。
理系と文系の間に約100万の差が生じています。
これには理系出身者が文系出身者に比べ、より専門性の高い知識や技術を必要とする仕事についていることが多く「手に職」を持っているとされるため、給料が高めに支払われていることが考えられます。
中でも数学や化学などのハイレベルな知識が必要な分野では、理系出身者でなければ就職は難しいでしょう。
文系出身者にも技術職に就いている方は多いですが、同じ技術職でもより専門性が高い理系出身者のほうが給料は沢山もらえるようです。
生涯収入は文系の方が高くなることも
手に職を持っているとして企業から優遇される理系出身者ですが、生涯収入は実は文系の方が高くなるという調査結果もあります。
これは40代を過ぎるあたりから出世していくにつれて、文系出身者のほうが給料が高くなる傾向があるからです。
人事院の「民間給与実態調査の概要」によると、2014年4月の平均給与は、技術系職種の大卒初任給が19万9241円、事務系職種は19万4848円。
理系と文系の差はほんの少し理系の方が上回りますが、50代の部長職になると技術系職種では約67万円、事務系職種では約75万円と文理が逆転しており、8万円ほどの差が生じます。
つまり理系出身者は、最初は高い給料をもらえるけれど、賃金の上昇率はそれほど高くないという傾向があるのです。
大切なのは強みを生かせる仕事に就くこと
数字の傾向として「理系は給料は高いが上昇率はよくない」「文系は出世していくにつれ給与が上がる」ことが出ています。
しかしこれは現時点の話であり、将来もこの傾向が維持されるとは限りません。
もちろん、現時点でもすべての職種に当てはまるものではありません。
たとえば、ソフト・ネットワーク系では文系・理系ともに仕事に就いていますが、年収400万円未満には文系出身者が多く、500万円以上になると理系出身者が多くなります。
つまり理系には理系の、文系には文系に向いた分野があるということであり、出身学部の強みを生かせる仕事に就くことがポイントだと言えるでしょう。
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