管理栄養士から分析業務へ。回り道を経て見つけた、本当にやりたいこと。

現在は大手食品メーカーで自社製品の分析業務を担当している小嶋さん。

もともとは正社員として給食業務のお仕事をされていたのだとか。

30代を前にしたキャリアチェンジには、どんな理由があったのでしょうか。

こちらを向いて壁際に立つ小嶋さん

小嶋 陽子(こじま ようこ)さん

短大卒業後、病院にて栄養士業務に就く。

その後、管理栄養士の資格を取得。社員食堂での献立作成や業務ルールの作成などに携わる。

そこから分析業務を目指し、2008年、RDサポートに登録。

発電所における排水分析、サンプリング、データ入力業務などでスキルを磨いた後、2014年より現在の大手食品メーカーにて就業を開始。

現在は、自社製品の分析および開発サポートに携わっている。

所有資格:栄養士、管理栄養士

一生この仕事を続けられる?30代を前に浮かんだ不安と決心。

インタビューを受ける小嶋さん

今は分析というお仕事をしていますが、実はもともと文系女子。

短大で栄養士の資格を取ったのが、私のキャリアの出発点でした。

栄養士の資格を取ろうと思ったのも、手に職があればいいなと思ったのがきっかけ。

ちょうど私が就職する頃は超氷河期で、せめて一生通用する資格があれば少しは安心かなと思ったんです。

短大卒業後は、栄養士として病院で調理業務に。その後、管理栄養士の資格を取得し、社員食堂の運営を受託する企業に転職しました。

これは管理栄養士の仕事をされてきた方なら共感していただけるかもしれませんが、管理栄養士の仕事って本当に大変なんです。

献立作成から衛生管理、報告書などの書類作成業務に、保健所の監査があればその対応で当面追われます。正直、息つく間もないような毎日です。

私自身、年齢的にもアラサーに差しかかり、このまま一生この仕事を続けていけるのだろうかという不安が。

そんな時、短大の友人たちが何人も派遣で分析に関する仕事をしていることを知ったんです。

栄養士の仕事に比べて体力的な負担は軽いし、時給は一緒に食堂で働いていたパートさんよりもずっといい。

みんなの話を聞いているうちに、徐々に分析の仕事に興味が湧いてきました。

とは言え、まったく経験のないフィールド。不安をあげればキリがありません。

でももし新しいことに挑戦するなら少しでも若いうちの方が絶対にいい。そう思って、会社を辞めて、思い切ってチャレンジしてみることにしました。

未知なる業界へのチャレンジ。初めてふれた分析の仕事の面白さ。

派遣という働き方を選んだのは、派遣なら未経験でも採用してもらえると思ったからです。「栄養士 派遣」で検索して見つけたのが、RDサポートでした。

もともと食に関する仕事をしていたので、第一志望は食品業界での分析業務。

けれど、まだスキルも経験もない私にはなかなか希望通りの職場がなく、まずは経験を積むために、業界を問わずチャレンジしてみることに。

私が紹介されたのは、発電所の業務を受託している会社でした。

もう最初は驚きの連続でしたね。初めて職場に見学に行った時、ヘルメットと作業着を渡されて。まさにテレビでよく見る工場の風景。

今までとはまったく別の世界に来た気分になりました(笑)。

笑顔で話す小嶋さん

担当業務は、発電所構内で発生した排水の水質分析などが中心。

もしも規定値を超える排水が放水されたら大問題となります。責任ある仕事でしたが、その分、学ぶことも多く、毎日が楽しかったですね。

最初は器具の扱い方もわからなかったのに、いつの間にか手順書を確認しなくてもスムーズにこなせるようになったりして。

そんな成長を感じられるのが嬉しくて、最初の半年は派遣社員でしたが、その後、契約社員として直接雇用となり、約6年もの間お世話になりました。

やっぱり食品の仕事がしたい。一念発起の末に、念願の食品業界へ。

今は、とある大手食品メーカーで自社製品に関する分析の仕事をしています。

ここに就業したのは今から約2年前のこと。

前職で仕事を続けるうちに、徐々に責任のある業務を期待されるようになり、自分の本当にやりたいこととのギャップを感じはじめるようになったんです。

もともと食品業界で働くためのステップとして選んだ仕事。スキルも身についたし、今こそ自分が本当にチャレンジしたいことをやるべきなんじゃないか。

そう思って、もう一度RDサポートに相談し、現在の就業先を紹介してもらいました。

憧れだった食品業界での分析業務。目に映るものすべてが新鮮で、楽しい毎日です。

既存の製品はもちろん、まだ開発段階の試作品の組成を分析したり。私たちがよく知る食品の開発の裏側に関われるのが面白くて。

ひとつの商品ができるのに、こんな何年もの時間がかかるんだなと驚いたことも。

おかげですっかり愛着が湧いて、スーパーに行くと、つい今の就業先の製品を優先的に買うようになりました(笑)。

時には残業が長引くこともあるけれど、何もない時は定時できちんと帰ることができるし、毎日クタクタだった管理栄養士の時代に比べても、ずっとオンもオフも充実している気がします。

笑顔の小嶋さん

これまでいろんな仕事をしてきましたけど、改めて思うのが、やりたい仕事をやる大切さです。

今は自分の好きな仕事ができているから、すごく幸せ。だから、少しでも興味のある分野がある人は、まずは一歩踏み出してみてほしいなと思います。

派遣という働き方は、その一歩を踏み出すためにもちょうどいい。私もいろいろ回り道をしたけれど、やりたい仕事を見つけられました。

迷う気持ちがあるのは、やりたい証拠。ぜひ勇気を出して最初の一歩を踏み出してください。

Writer’s Eye

「好き」を仕事にできたら幸せ。それは誰もが思うことです。けれど、「好き」を仕事にすることほど難しいことはありません。

小嶋さんが「好き」を仕事にできたのは、キャリアに迷いながらも、その都度与えられた場で一生懸命やるべきことに取り組んできたから。

回り道に見えた時間こそが、好きな仕事に辿り着くために必要なステップ。あきらめずに前を向いて進み続ける大切さを、小嶋さんの歩みが教えてくれました。

取材・文:横川良明

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