品質保証の仕事内容とは?

手に顎を乗せて笑う白衣の女性

商品の品質が水準以上を満たしていることを約束する、品質保証の仕事。

私たちが安心して商品を購入できるのも、品質保証職の方々のおかげであると言えるでしょう。

しかしその詳しい仕事内容をご存知の方は、少ないのではないでしょうか。

ここでは、新商品の企画段階から販売後のアフターサポートまで、幅広い場面で活躍している品質保証の仕事内容をご説明します。

品質保証の仕事はオフィスワークが中心

品質保証の仕事は、その大半がオフィスでパソコンを使ったオフィスワークです。

製品の安全性を示すために欠かせない商品規格書の作成や、商品パッケージなどに記載されている食品一括表示(裏面ラベル)の作成、消費者からの製品に関する問い合わせ対応や報告書の作成など、様々な書類や資料の作成を行います。

また製品の企画から開発、製造、販売後までに幅広く携わるため、各部署とのやり取りも多く発生するポジションです。

品質を保つための仕組みづくりや体制づくりなどにも関わります。

品質保証の仕事内容

パソコンの前でメモを取る白衣の女性

では品質保証の具体的な仕事内容をみてみましょう。

【商品規格書の作成】

商品規格書とは、商品の原産国や原材料の配合、アレルギー物質や製造工程に至るまでの基本的な情報が記載された書類のことをいいます。

企業によっては仕様書や商品カルテと呼ばれることもあります。

主にメーカーが作成し、商社や問屋等の卸売業者を通じて、スーパー等の小売業者や飲食店等の外食産業者に提出されています。

ひとことで商品規格書と言っても、メーカーが作成する書式、卸売業者が作成する書式、小売業者が作成する書式・・・と、その種類は膨大です。

国内外に関わらず、ほとんどの企業が製品を導入する際に、指定の書式で商品規格書の提出を希望します。

そのため商社の品質保証に就く場合は、商品規格書を一から作成するのではなく、国内外のメーカーから商品規格書を取り寄せ、顧客指定の書式に清書する業務が多く発生します。

【一括表示の作成】

一括表示とは、食品の原材料や内容量、賞味期限等の情報が書かれている一覧表を指します。

加工食品のパッケージ等に記載されているので、みなさんも良く目にしているのではないでしょうか。

一括表示はラベルシールに印字して商品パッケージに貼ったり、包装に直接印字されたりするため、企業によってはラベルや裏面表示と呼ばれることもあります。

基本的には、品質保証で一括表示の内容のみを作成し、パッケージデザインなどは外部に委託する企業が多いようです。

しかし中には、業務の一環としてデザイン担当者とやり取りを行い、一括表示を含めたパッケージのデザインを考える場合もあります。

一括表示の内容は、食品衛生法やJAS法、景品表示法、薬事法など様々な法律によって規定が定められています。

そのため表示内容が法律に沿ったものになっているか、パッケージを開けなくても見える場所に読みやすく表示されているか、などをチェックします。

【出荷前確認】

品質管理が行う検査結果を確認・分析し、製品が規格通りに製造されているかを判断します。

【クレーム対応】

品質保証の仕事には、お客様相談室やコールセンターなどの消費者対応業務が含まれる場合も多くあります。

自社製品などを召し上がったお客様から「食品に異物が入っていた」「包装が破れていた」「規定の重量よりも軽かった」などの苦情を受けた際に、その対応を行います。

製造部門や品質管理部門などに連絡し、発生した事象の原因調査や製品の検査・分析を依頼します。

また併せて再発しないよう防止策を検討し、問題点を改善していきます。

お客様から求められた場合には、調査内容や発生原因、今後の対応などをまとめた調査報告書を作成し、お客様に提出します。

社内向けに報告書を作成し、関連部署に回覧することもあります。

【仕入れ品の不具合対応】

商社や食品加工メーカーなどの品質保証では、仕入れた原材料に異物が入っていた、表示内容が違っていたなどの不具合があった際に、仕入先やメーカーに連絡をして原因調査や再発防止の対策・改善を依頼します。

場合によっては、不具合の改善後に仕入先工場を訪問し、対策がされているかを確認することもあります。

【法改正への対応】

食品衛生法やJAS法などの法律は、常に見直しが図られています。

法令の改正があった際には、期日までに改正内容を確認し、業務に適用するための計画や仕組みづくりを行う必要があります。

具体的にはマニュアルの更新や必要書類の精査、関連部署への共有・発信、勉強会の開催等を行い、行政の指示に基づいた正しい表示の作成に努めます。

【ISO関連業務】

ISO(アイエスオー)とは、スイスに本部を置く国際機関です。

企業のグローバル化に合わせて、様々な国際基準を定めています。

品質に関する国際基準には、有名なもので「ISO9000s」「ISO22000s」があり、基準審査に合格した企業や工場に認証が与えられます。

この認証制度は国外に商品を輸出する際に必須となるため、審査合格後も定期的に更新対応が必要です。

海外企業と関連がある企業では、品質保証がその更新に必要な書類作成などの業務を担っています。

特にISO22000は比較的新しい基準なので、知識や経験があると企業から重宝されるでしょう。


品質保証の仕事は、製品の企画から販売後のアフターフォローまでと広く、様々な場面で的確な対応を行うためには、幅広い知識や経験が必要です。

またお客様や各部署との連絡・調整が多いため、コミュニケーション力が求められます。

商品開発や品質管理などを経験した後、その経験や知識を活かして品質保証にキャリアチェンジする方も少なくありません。

未経験からチャレンジしたい場合は、商品規格書の内容がイメージできることや、コミュニケーション能力に長けていることなどをアピールできると良いでしょう。

次回は品質保証に求められる知識やスキル、活かせる資格についてご紹介します。

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