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2015年4月、「食品表示法」が施行されたのをご存知でしょうか。
それまで複数の法律で規制していた食品表示の基準を一元化する目的で作られた法律です。
「食品表示法」の施行に伴い、食品事業者はすべての表示について改めなければなりません。
ここでは食品業界で働いている、または働きたいと思っている方が知っておきたい「食品表示法」についてご紹介します。
食品表示法の目的
2015年まで、食品の表示は「商品衛生法」「JAS法」「健康増進法」という目的や性質の異なる3つの法律で規制されていました。
そのため基準が非常に複雑で、事業者にとっても消費者にとっても食品表示はわかりにくいものでした。
その複雑化された食品表示の基準を一つの法律にまとめ、誰にとってもわかりやすいものにする目的で作られたのが「食品表示法」です。
食品表示に関する情報が一元化されることにより、事業者も表示の作り方がわかりやすくなりますし、消費者も口にする食品の安全性を確認しやすくなりました。
ただ、いきなりすべての食品の表示を変更することは難しいため、これまでの表示内容を食品表示法に基づくものに変更するための経過措置期間が設けられています。
加工食品に関しては5年(2020年3月末まで)、生鮮食品に関しては1年半(2016年9月末まで)です。
食品表示法施行による変更ポイント
食品表示法による表示と、従来の表示法との変更ポイントは主に以下のとおりです。
●アレルギー表示
原材料に、特に重いアレルギー症状を発症させる「特定原材料」のすべてを表示しなくてはいけなくなりました。
特定原材料に指定されているのは「小麦」「卵」「エビ」「そば」「カニ」「乳」「落花生」です。
原則的に特定原材料は、表示されている原材料の直後に表記する必要があります。
例:かき揚げ(小麦、卵)、てんぷら(小麦)
●加工食品の栄養成分表示の義務化
熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムの5成分の表示が義務化されました。
また、ナトリウムの量はより消費者がわかりやすいように、「食塩相当量」として表示する必要があります。
●製造所固有記号の使用条件の変更
従来の食品表示では、製造所固有記号、販売者名、住所を表示することによって製造者名や製造所所在地の代わりにすることが可能でした。
しかし食品表示法では、原則的に製造所固有記号を使うことができません。
●機能性表示食品制度
従来では、食品の機能に関しては国の許可を得た「栄養機能食品」「特定保健用食品」のみ表示することができました。
しかし食品表示法に盛り込まれた機能性表示食品制度により、科学的な根拠があれば事業者の責任で機能性を表示することができるようになりました(販売日の60日前までに消費者庁に届ける必要あり)。
●原材料名の表示方法の変更
それまでの食品表示では「原材料」と「添加物」を一緒に表示することができていましたが、食品表示法ではそれらの表示を別々にわけておこなう必要があります。
2020年4月には、経過措置期間が終了し、すべての食品の表示方法が食品表示法に則ったものに変更しなくてはいけません。
食品製造にかかわる方はしっかり変更点を把握し、しっかり準備しておくようにしましょう。
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