食品業界で働くなら知っておきたいHACCPとは

食品業界で働くなら知っておきたいHACCPとは

食品業界で働きたいと考えている方の中には、「HACCP(ハサップ)」という言葉を聞いたことがある方もいると思います。食品衛生管理の手法のひとつです。

言葉は聞いたことがあっても、それが実際にどのようなものなのか知らないという方も多いかもしれません。

そこで今回は、HACCPとは何なのか、その概要をご紹介します。

HACCP(ハサップ)とは

HACCPとは、食品を製造する際の安全確保、また管理手法のことです。

英語の「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の頭文字を取ってひとつにした略語で、日本語では「危害分析重要管理点」と呼ばれています。

食品が完成してからではなく、製造段階から生じうる危害を予測、分析し食品の安全を確保するという点が大きな特徴です。

アポロ計画が進んでいた1960年代のアメリカで、宇宙食などの安全性を確保することを目的にNASAなどの機関によって構想されました。

1973年にアメリカ食品医薬品局(FDA)が缶詰食品の製造管理の基準として取り入れたのをきっかけに普及し、近年では多くの日本の食品メーカーでも取り入れられています。

HACCPの12の手順と7の原則

HACCPの12の手順と7の原則

食品メーカーがHACCPを取り入れるなら、必ず守らなければならない12の手順があります。手順6以降は「HACCPの7原則」と呼ばれ、特に重要です。

では、その手順と原則を見ていきましょう。

手順1.HACCPのためのチームを編成

製品を作るための情報収集ができるよう、各部署から担当者を集めます。外部から専門家を招くこともあります。

手順2.製品の説明書を作成する

原材料や特性などをまとめておくことで、危害要因分析の基礎資料となります。

手順3.意図する用途、対象となる消費者の確認

製品の使用方法や、消費者ターゲットがどのような人たちなのか確認します。

手順4.製造工程一覧図を作成する

受入から製品の出荷まで、または食事提供までの流れをまとめます。

手順5.製造工程一覧図の現場を確認

現場での人の動きやものの動きを実際に確認し、工程図を修正します。

手順6(原則1).危害要因分析の実施

工程ごとに、原材料の由来や、生じうる危害要因を書き出し、管理手段を講じます。

手順7(原則2).重要管理点の決定

危害要因をなくしたり減らしたりするべき重要な工程を決定します。

手順8(原則3).管理基準の設定

危害要因の分析で特定した重要管理点を適切に管理するための基準を決めます。

手順9(原則4).モニタリングする方法の設定

重要管理点が適切に管理されているか、最適な頻度で確認をし、記録していきます。

手順10(原則5).改善のための措置の設定

モニタリングの結果、管理基準がずれていたことがわかったときに講ずべき措置を設定します。

手順11(原則6).検証方法の設定

HACCPプランに則って管理が行われているかどうか、また修正が必要かどうかを検討します。

手順12(原則7).記録と保存する方法の設定

記録することでHACCPを実施したことの証拠とします。また、問題発生時の原因究明のための資料とします。


HACCPは日本の食品メーカーにも普及し始めており、スーパーなどで見かける食料品のパッケージにも「HACCP」という記載がされているのを見たことがある人も多いかもしれません。

食品メーカーにとって食品の安全管理は重要です。食品メーカーで働きたいと考えている方は、HACCPについて知っておくようにしましょう。

研究開発のお仕事ならRDサポート人材派遣

RDサポート人材派遣は、食品・創薬・製薬・臨床分野の研究開発職に特化した派遣会社です。理系出身のキャリアアドバイザーや担当営業があなたの転職活動を応援します。

研究開発職を希望する方の様々なライフスタイルやキャリアステージに合わせた転職サポートが強みです。派遣のお仕事を中心に、正社員紹介や複業支援を含めた長期的なキャリア提案を行っております。

現在転職を考えている方はもちろん、今のお仕事を続けていくべきか悩んでいる方、初めての転職で不安な方も、まずはRDサポートのキャリアアドバイザーに相談してみませんか。