脱水症状は夏になるものだと印象が強いかもしれませんが、冬でも脱水症状に陥ることはあります。冬に起こる脱水症状には夏の脱水症状とは特徴が異なります。
今回は、冬の脱水症状の特徴と対処法をご紹介しましょう。
冬の脱水症状の特徴
冬の脱水症状の大きな特徴は、自覚がないまま脱水症状を引き起こしている方が多いことです。
通常、室内にいるだけでも、皮膚や呼気から体内の水分が蒸発(不感蒸泄)しています。それに加え、冬は暖をとるために、エアコンなどの暖房器具を使い室内を暖める方が多いです。
冬はただでさえ空気が乾燥していますが、暖房を入れるとさらに湿度が下がりやすくなります。室内の湿度が下がることでより体の乾燥が進み、知らず知らずのうちに脱水症状になってしまうのです。
また冬場は夏のように大量の汗をかくことが少ないので、水分を意識的にとろうとはしなくなります。空気の乾燥と水分補給の少なさがあいまって、脱水症状が引き起こされるのです。
冬は塩分欠乏型の脱水症状にも注意
代表的な冬のウイルスに「ロタウイルス」と「ノロウイルス」があります。
これらのウイルスに感染すると、激しい嘔吐と下痢を引き起こし、電解質(ナトリウム、ミネラルなど)と水分が一気に失われてしまいます。この劇的な脱水症状を「塩分欠乏型」といいます。
人間の体には塩分が必要不可欠で、塩分が欠乏してしまうことで著しく体調が悪くなることがありますので注意が必要です。
冬場の脱水症状の予防と対処法
密閉度の高い室内で長時間暖房を効かせて過ごす場合は、こまめな水分補給を心掛けるようにしましょう。
冷たい飲み物は体を冷やしてしまうので、温かい白湯などがおすすめです。朝起きて一杯飲み、その後2~3時間に1杯程度を飲むことをおすすめします。
一方、ウイルスに感染して下痢や嘔吐を繰り返している場合は、糖分や電解質が含まれた、水分吸収の速度が速い経口補水液を飲むとよいでしょう。
ウイルスに感染している状態で水を飲んでも、一時的に体液量が増加するものの、電解質の濃度は低下したままだからです。
また、摂取した水分も体液濃度を保とうとする体の反応により尿として素外に出てしまうため、脱水状態からの回復はできません。嘔吐がひどいときは、いっきに飲んでしまうとさらに嘔吐を促すことになってしまいます。
飲み方のポイントは、少量をゆっくりと飲み、徐々に口に入れる回数を増やして、失った栄養素を補給していくことです。
水分は私たちの体の約60%を占めています。
水分の役割は、細胞に酸素や栄養素をいきわたらせつつ、体温調整や老廃物を出すことです。そのような働きを持つ水分が脱水によって減少すると、血液の流れが悪くなり、脳梗塞や心筋梗塞などの病気を引き起こすリスクが高くなります。
脱水予防として、冬場でも水分補給を心掛けていきましょう。
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