新薬開発に携わるCROとは? CRAやCRCとの違いを知っておこう

新薬開発に携わるCROとは? CRAやCRCとの違いを知っておこう

新薬の製造開発に関わる仕事にはいくつかの種類があります。

その中でもCROでの仕事は、医薬品の臨床試験や安全性情報管理、製造販売後調査などを担当するやりがいのある職種です。

基礎研究や医薬品の開発は製薬会社が担当する領域ですが、開発後の臨床試験は製薬会社から業務委託を受けた企業であるCROがおこないます。

ここではCROが担当する具体的な仕事内容や、CROと混同されがちなCRAやCRCといった仕事について詳しくチェックしてみましょう。

新薬開発に携わる「CRO」とはどんな機関?

CROとは「Contract Research Organization」の略。日本語では「開発業務受託機関」と訳されます。

製薬業界では日夜、新薬を作り出すための研究が進められています。薬は作り出してすぐに販売できるということはなく、多くの実験や検証、データ分析を通して有効性や安全性を確認しなければなりません。

その中でも臨床試験や承認申請に関するサポートをするのが、CROの重要な役割です。

CROは新薬の臨床試験業務を担当する

製薬会社の研究開発によって完成した薬の安全性や有効性をチェックすることは、新薬を世に出すための重要なプロセスです。

CROは臨床試験を通してデータの収集や解析を担当します。臨床試験は大きく3段階に分かれており、まずは少量の健常者に薬を投与して安全性を確認することから始まります。

続いて少量の患者に投与して安全性と有効性を確かめたあと、多数の患者に薬とプラセボ(偽薬)を投与して有効性を検証していきます。

CROはデータ分析や申請業務などもおこなう

CROはさらに、治験の安全性のチェックやデータ分析、臨床試験の信頼性の検証といった業務もおこないます。臨床試験は数年に及ぶこともあるため、じっくりと腰を据えて業務を進めていくことが肝心です。

治験が滞りなく終了したあとには、収集データの処理や解析をおこない、厚生労働省への承認申請をします。

承認申請をするときには、申請内容がガイドラインに合致しているか、データ内容が正しいかといった項目を仔細にチェックすることが重要です。

CROには新薬販売後調査という業務もある

開発された薬は、厚生労働大臣の承認を受けることではじめて製造販売が可能となります。しかし、CROの仕事は薬を世に出せば終わりというわけではありません。

医薬品が医療機関や薬局などで使われるようになってからも、CROの仕事は続きます。慎重な追跡調査によって影響を見定める製造販売後調査の中でも、販売後の副作用の調査は重要な業務の1つです。

また、製薬会社との打ち合わせや新薬に関する調査も継続していきます。

CROとCRA、CRCの違いを知っておこう

CROと混同されがちな分野に、CRAやCRCがあります。

CRAとは「Clinical Research Associate」の略称で、「臨床開発モニター」を指します。CRAはCROに在籍し、治験を実施する医療機関で臨床試験の内容が適正におこなわれているかをモニタリングします。

CRCは「Clinical Research Coordinator」の略称で、「治験コーディネーター」を指します。

これは、治験を実施する医療機関からの依頼を受けて、治験を受ける被験者のサポートをする仕事のことです。

CRCは主に病院などの医療機関に在籍し、治験のスケジュール管理や連絡調整、被験者のケアなどを担当します。

新薬開発に携わるCROとは? CRAやCRCとの違いを知っておこう

CROとは、新薬が世に出るまでの臨床実験をはじめとした業務を全面的にサポートする機関のことです。その業務内容は治験の実施やデータ解析、申請業務や販売ご調査など多岐にわたっています。

医療や薬学に関する知識をもち、新薬の開発販売のサポートをしたいと考えている方は、CROを目指してみるのも1つの道といえるでしょう。

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