派遣社員として働いていると「派遣先企業ではこれからも働きたいけど、派遣会社だけ移籍したい」と考える方もいるかもしれません。

しかし、派遣先を変えずに派遣会社を移籍することは可能なのでしょうか？

ここでは、派遣先を変えずに派遣会社を移籍できるのかとともに、もし移籍をする場合の注意点などについて解説します。

派遣先を変えずに派遣会社だけ移籍できる？

他の派遣社員との会話で「派遣先や業務内容が同じなのに、時給や待遇が違う」と知り、移籍を考えるという方は実は珍しくありません。

また、派遣会社の待遇や担当者の対応に不満を覚えていると、移籍が頭をよぎるという方も多いでしょう。

実際のところ、派遣会社だけを移籍し、派遣先に残ることは法的にも問題ありません。

移籍の流れ

派遣会社だけを移籍するには、現在の派遣会社での契約期間が満了したあと、契約更新をせずに終了し、別の派遣会社から今の派遣先を紹介してもらうという流れになります。

このとき必要不可欠なのが「派遣先企業からの協力」です。事前に派遣会社を移籍する旨を責任者へ伝え、了承を得ないと移籍が成立しません。

また、移籍をするにあたって「この人が必要だ」と思ってもらえる実績があることも重要です。

普段の仕事で実績を残せているのと合わせて、水面下での交渉や相談をしっかりとおこなえるかどうかが、移籍を成功させるポイントです。

派遣先から移籍してといわれたら？

派遣先から「勤務先は現在のままで、派遣会社だけ他のところに変えてほしい」と持ち掛けられるケースもあるかもしれません。

しかし、そのような理由で移籍をおこなうのは難しいといえます。

なぜなら、派遣先から移籍を打診することは派遣法の「派遣社員を指定する行為」にあたり、法に抵触するおそれがあるからです。

もし話を持ち掛けられた場合は、世間的にもご法度であり、リスキーな行為だということを十分に理解したうえで判断する必要があります。

派遣会社を移籍する際の注意点は？

派遣は特別な事情がない限り、契約満了まで働くのが基本です。

契約期間の途中で移籍するのは社会人としてのマナーを疑われます。派遣先、新旧の派遣会社に迷惑が掛かってしまうため避けましょう。

それから、移籍先の派遣会社の規模によっては、同じ派遣先で働けるとは限りません。

首尾よく同じ派遣先で働けたとしても、新しい派遣会社では実績がゼロからのスタートとなり、派遣会社によっては時給が移籍前よりも下がってしまう可能性も。

また、雇用期間がリセットされますので、有給休暇や産休・育休の起算日もゼロスタートになります。

移籍前に取得していた有給休暇も、派遣会社が変わると喪失してしまうので要注意です。

ちなみに、派遣会社との契約書で「派遣期間が満了したあと、他の派遣会社から現在の派遣先に派遣されてはいけない期間」が定められている場合は、それも含めて移籍のタイミングを図る必要があります。

現在の派遣会社ともめずに移籍ができるよう、派遣先企業にも協力を仰ぐなどして穏便に済ませる努力をしましょう。

派遣会社の移籍は注意点も考慮した上で決断を！

派遣会社を移籍すると、前の派遣会社よりも時給や待遇がアップするなど、メリットが得られる場合も。

しかしながら、移籍には注意すべき点やデメリットも少なくありません。

もし移籍を実行する場合は、これらを全て考慮したうえで慎重に判断すべきでしょう。

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