派遣社員として働いている方の中には「もっと働きたいけど、扶養を抜けると手取りが減ってしまうのでは？」と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

配偶者や親の扶養に入りながら働くのと、扶養を抜けて働くのではどんな違いがあるのか気になるところですよね。

そこで今回は、扶養を抜けるメリットや注意点をご紹介します。

派遣社員が扶養を抜けるメリットは？

「扶養」には税金上の扶養と、社会保険上の扶養があります。税金上の扶養については103万、201万円。社会保険上では106万円、130万円……などの壁があります。

もしこの「壁」を越えて、つまり扶養を抜けながら働いた場合はどのようなメリットがあるのでしょうか。

扶養を抜けると配偶者などの扶養範囲内で働いているときに比べて、次のようなメリットが得られます

社会保険で受けられる保障が手厚くなる

扶養を抜けて働く場合、派遣会社の厚生年金や健康保険組合に加入することとなります。その場合、将来もらえる年金額が増えたり、病気やケガで働けない場合の傷病手当金、出産手当金や育児休業給付金などが受け取れたりといったメリットがあります。

収入アップにより家計が潤う

扶養控除から外れた場合でも、年収201万6千円未満なら配偶者は「配偶者特別控除」を受けることができます。それ以上は配偶者特別控除の対象外となりますが、トータルで見れば家庭全体の収入がアップし、家計に余裕が生まれるのは大きなメリットです。

スキル、キャリアの向上機会が増える

扶養を抜けて働くということは、労働時間が増え、より責任のある仕事を任せてもらえるということでもあります。そのためさらなるスキルの向上や、キャリアアップできる機会が増えることにもつながります。

ローンの審査が通りやすくなる場合も

扶養を抜けて働くことで、ローンの審査に通りやすくなる場合があります。社会保険に加入し安定した収入を得ているとみなされ、社会的な信用を得ることができるからです。

派遣社員が扶養を抜けて働く際の注意点

派遣社員が扶養を抜けて働くとさまざまなメリットがありますが、その一方で注意したい点も。扶養を抜けて働く際の注意点を見てみましょう。

年収によっては“働き損”になる場合も

扶養を抜けて働いたとして、年収が150万円未満になると「厚生年金」「社会保険料」の支払額を差し引くと働き損になる可能性があります。そのため、扶養を抜けて働く場合は年収150万円以上を目指すことをおすすめします。

家族に反対される場合も

派遣社員が配偶者の扶養を抜けて働く場合、年収額（201万円以上）によっては配偶者特別控除がなくなります。言い換えれば、配偶者の税金額が高くなる、ということです。また、企業によっては配偶者特別手当などを支給している場合もありますが、収入に制限を設けている場合はこちらも受け取れなくなることがあります。

こうした事情により、ご家庭によっては扶養内で働いた方がよい場合もあるのです。扶養を抜けて働きたい場合は、ご家族で話し合ってから決めることをおすすめします。

派遣社員として扶養を抜けて働く場合は、家族と相談して決めよう

扶養を抜けるかどうかについては、派遣会社に相談をするのもひとつの方法です。派遣会社に相談すれば、収入面の制度について教えてもらえたり、今後どうしていきたいのかといったキャリアプランを一緒に考えてくれたりします。

派遣社員として扶養を抜けた場合、収入アップやキャリアアップ、社会保険の保障が手厚くなるなどのさまざまなメリットがあります。その一方で、社会保険料などの負担が増えることや、配偶者が支払う税金が増えたり、年収によっては働き損になってしまったりする場合も。いずれにせよ、まずはご家族としっかり話し合ったうえで扶養を抜けるか、抜けないかを決めることが大切です。

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