派遣社員でも退職金がもらえる! 条件や受け取り方法をチェック

2020年の派遣法改正以降、派遣社員でも条件を満たせば退職金がもらえるようになりました。そこで今回は、気になる「退職金制度」について解説。概要やもらえる条件、注意点などをご紹介します。

派遣社員でも退職金が貰えるようになった!

以前であれば、「派遣社員は退職金がない」というのが常識でした。しかし2020年になり、「同一労働同一賃金」を実施するために派遣法が改正されたあとは、派遣社員にも正社員と同様に「退職金」が支給されるようになりました。

派遣社員の退職金、および待遇を決めるのは「派遣会社」です。派遣会社は、以下の2つのいずれかの方式で退職金などの待遇を決めています。

・派遣先均等・均衡方式

「派遣先」の社員と同じ仕事をする派遣社員が、同じ待遇を受けられるのを目指す方式を「派遣先均等・均衡方式」といいます。退職金制度についても、派遣先企業の退職金制度と比べて不合理にならぬ方法を選択します。

ただし有期雇用派遣の場合「3年ルール」があり、勤務先の退職金受け取り要件(3年以上の勤務など)を満たせないおそれも。また派遣先に退職金制度が無ければ、派遣社員の退職金ももらえません。

・労使協定方式

派遣会社と過半数労働組合(または過半数労働者代表)との間で協議し、派遣社員の待遇を決める方式です。

労使協定方式では、派遣社員の待遇が一般の正社員と同等、またはそれ以上になるように取り決めをおこなわなければなりません。

派遣社員がもらえる退職金の種類は? 受け取り方法についても紹介

派遣社員が貰える退職金制度には、大きく分けて4つの種類があります。

【派遣先均等・均衡方式】

  • 派遣先企業の退職金制度

【労使協定方式】

  • 派遣会社の退職金制度
  • 退職金前払い制度
  • 中小企業退職金共済制度

それぞれの特徴を見てみましょう。

・派遣先企業の退職金制度

先述のとおり、派遣先企業の退職金規定と同じ方式で退職金が決まる制度です。

「派遣先均等・均衡方式」により待遇が決まる派遣会社の場合は、この方式で退職金額などが決定されます。

・派遣会社が定める退職金制度

派遣会社が決めたルール・条件にのっとって、退職金が支給される制度です。

こちらも有期雇用派遣の場合は、退職金の支給条件に多い「勤続3年以上」に該当せず、退職金が支給されないリスクがあります。

・退職金の前払い制度

退職金の前払い制度とは、毎月の給与(時給)に退職金にあたるお金を上乗せして支給する制度です。

上乗せされる退職金額は、厚生労働省の賃金統計をベースに算定されます。

「退職時にもらう」のではなく毎月の給与でもらうことで、勤続年数に関係なく退職金が受け取れるのがメリットです。よって、多くの派遣会社では、この「退職金の前払い」を採用しています。

ただし、時給に退職金が含まれる関係上、本来であれば受けられる「退職所得控除」がありません。

所得として課税対象になるため、退職時に一括で受け取るよりも実質の支給額は少なくなります。

中小企業退職金共済制度

「中退共」とも呼ばれる中小企業退職金共済制度は、中小企業を対象にした退職金制度です。

退職金の管理は「中小企業退職金共済制度」の団体がおこなっていて、派遣会社からあらかじめ支払われた掛け金を積み立て、退職時に受け取るというシステムになっています。

退職金額は「掛け金」に勤続年数、年齢を掛けると計算ができます。掛け金は「一般的な基本給の額+ボーナス」に6%以上をかけた額です。

掛け金の支払い期間が2年(24カ月)を超えれば、払った掛け金より多くの退職金が受け取れるのが大きなメリットです。

派遣社員の退職金については派遣会社に確認しよう

「同一労働同一賃金」の考え方から、派遣社員の待遇改善が進みつつあります。退職金はそのうちのひとつですが、支給方法や条件に付いては派遣会社の裁量に任されている部分も多いです。

退職金制度について不明な点がある方は、一度派遣会社に確認してみましょう。

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