紹介予定派遣と派遣の違いは?自分にあった方法でお仕事探し

紹介予定派遣」という働き方があるのをご存知でしょうか?

紹介予定派遣とは派遣社員の働き方のひとつで、派遣先の企業と直接雇用契約を結ぶことを前提とする派遣です。

企業側には、派遣社員として働いてもらっている期間中に応募者の仕事の能力や適正をしっかりと確認できるメリットがあります。

応募者にとっては、実際の仕事を経験し会社の雰囲気もわかるので入社してからミスマッチに気がついたといったリスクを回避でき、企業側・応募者側の双方にメリットがある仕組みです。

総務省統計局「労働力調査」によると2022年の転職希望者数は968万人で、就業者のおおよそ15%が転職を希望している状況です。直近では転職希望者は年々増加傾向にある中で「紹介予定派遣」という働き方は注目を集めています。

そこで今回は紹介予定派遣と派遣の違い、それぞれのメリット・デメリットを紹介しながら、紹介予定派遣についてさらに掘り下げて詳しく解説します。

(参考:総務省統計局 | 労働力調査 | 2022年(令和4年)

紹介予定派遣と派遣の違いは

紹介予定派遣と通常の派遣の大きな違いは「派遣期間終了後に派遣先の企業で社員として働くことを前提としているかどうか」です。

通常の派遣でも派遣期間終了後に、派遣先と派遣スタッフの合意があれば直接雇用となるケースはありますが「直接雇用契約が前提」の働き方ではありません。

その他にいくつかの点で紹介予定派遣と派遣には違いがありますので、以下でご紹介します。

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣とは「派遣期間終了後に派遣先の企業と直接雇用契約を結ぶことが前提となる派遣」のことです。

そのため、派遣先の企業も派遣スタッフもお互い直接雇用を前提とした派遣であることに同意してから利用する必要があります。

紹介予定派遣の派遣期間は最長で6ヶ月までと定められていますが、直接雇用が前提であるため派遣期間中でも双方の合意があれば、直接雇用に切り替えることが可能です。

また、派遣期間中は実質的な試用期間となるため、社員登用後に新たに試用期間を設定することは禁止されています。

直接雇用が前提であるため、派遣先企業は就業前に「書類選考」や「面接」を実施することが認められています。

企業側としては複数の候補者から派遣スタッフを選考できるので、受け入れ前の事前審査の段階で就業を断られる可能性があります。

派遣とは

派遣とは派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で働く雇用形態です。

雇用主は派遣元企業になるため、給与の支払いや社会保険の手続きなどは派遣元企業が行います。

派遣期間の上限は最長で3年で、これを超える場合は派遣会社に雇用の安定化措置の義務または努力義務が課せられます。具体的には派遣先企業に直接雇用してもらうように交渉する、派遣会社と無期労働契約を結ぶなどが該当します。

派遣会社との雇用契約は、派遣先企業が決まってから派遣会社と決められた期間(派遣期間)契約を結ぶ有期雇用派遣(登録型派遣)と派遣会社の正社員となる無期雇用派遣(常用派遣)に分けられます。

無期雇用派遣は派遣会社と正社員の雇用契約を結んでいるため、派遣先が決まるまでの待機期間も給与が支給されますが、有期雇用派遣の場合は待機期間中に給与は支払われませんので、計画的に仕事を探す必要があります。

れぞれのメリット・デメリットを確認してみましょう

ここでは紹介予定派遣と通常の派遣のメリット・デメリットについてそれぞれ紹介します。

紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣の最大のメリットは「直接雇用が前提であること」ですが、それ以外にも求職者のメリットがあります。

実際に現場で働いてみることで、職場の雰囲気や自分の適性を確認できることです。通常の転職では職場で働いて社風や具体的な業務内容を知ることができないケースがあります。

紹介予定派遣なら必ず働いてから雇用になりますので、入社したけど思っていたものと違うといったトラブルを避けられます。

未経験やスキル不足の場合でも紹介予定派遣なら希望の企業や職種に就ける可能性があることも求職者のメリットです。

企業側は社員として雇用する前にじっくりと時間をかけて採用の可否を判断できるため、書類や数回の面接では確認しきれない仕事への取り組み姿勢や人間性、実務能力の評価が可能になります。

そのため、募集要項を満たしていない人でも派遣を受け入れるケースが発生します。求職者側からすればチャレンジできる選択肢が広がるので、自分の希望にマッチングした仕事が見つかりやすくなるでしょう。

派遣会社からの手厚いサポートを受けられるのも紹介予定派遣のメリットです。

紹介予定派遣では派遣先への入社が決定した時点で派遣先企業から紹介手数料が支払われます。つまり派遣スタッフの直接雇用は派遣会社のメリットとなります。

そのため、派遣会社によっては履歴書や職務経歴書の添削や面接対策を行ってくれる場合もあります。さらに自分では伝えにくい雇用条件の交渉を代行してくれる会社がほとんどですので、その点でも安心できます。

紹介予定派遣のデメリット

たくさんのメリットがある紹介予定派遣ですがデメリットもあります。紹介予定派遣を希望している人は以下のデメリットも含めて検討しましょう。

まず直接雇用にならないケースがあることです。紹介予定派遣は直接雇用が「前提」であって「義務」ではありません。

したがって派遣期間中の勤務状況を見て企業側が直接雇用を断る場合があります。紹介予定派遣の最長派遣期間は6ヶ月ですので、その期間働いて直接雇用に至らないリスクを許容する必要があります。

正社員登用とは限らないことも注意点になります。紹介予定派遣は直接雇用が前提条件ですが、雇用形態までは指定されていません。

そのため、必ずしも正社員になれるとは限らず、契約社員として雇用契約を結ぶ可能性もあります。正社員・契約社員どちらの雇用形態になるのかは事前に確認しておきましょう。

直接雇用時に契約条件が変わる可能性があることにも注意しなければなりません。派遣期間中の雇用主は派遣会社ですので、労働時間や賃金などの契約条件は派遣会社が決めたものになります。

派遣期間終了後、直接雇用に至った場合は派遣先企業との雇用契約となりますので契約条件が派遣期間中の条件から変わるケースもあります。直接雇用契約を結ぶ際はしっかりと契約条件を確認して納得してから契約しましょう。

派遣のメリット

派遣という働き方を選択することで得られるメリットを紹介します。

まず自分のライフスタイルに合わせて仕事を選べることです。派遣の仕事は勤務時間や勤務日数、職種、仕事の内容といった条件を提示して仕事を探せますので、正社員では求人がないような勤務条件でも仕事を見つけられます。

自分の時間をしっかりと作れますので、家族と過ごす時間を増やしたりスクールに通ってスキルアップしたりするなどプライベートな時間の選択肢も増えます。

様々な職場で経験を積んでスキルアップができることも派遣のメリットです。

正社員で働く場合は、決まった職種・業種で働き続けるケースが一般的ですが、派遣であれば派遣先が変わるごとに新しい仕事にチャレンジできるので、幅広く知識やスキルを身につけられます。

正社員では採用が難しいマスコミやクリエイティブ系の仕事でも派遣なら働けるチャンスがあります。派遣から始めて経験を積み、キャリアアップを図るというのも憧れの業界で働く方法のひとつです。

派遣スタッフは時給で働くケースがほとんどですが、同じく時給で働くパート・アルバイトよりも時給が比較的高い傾向にあります。

派遣先にもよりますが、パート・アルバイトとして働くよりも短期間・短時間で高収入を得られる可能性があるのも魅力です。

派遣のデメリット

派遣のメリットだけではなく、デメリットも事前に確認しておきましょう。

派遣のデメリットとして正社員と比較して雇用が不安定であることが挙げられます。

有期雇用派遣はあらかじめ決められた派遣期間のみの契約です。派遣先と派遣スタッフの合意があれば派遣期間を延長できますが、それでも同じ職場で働ける期間は最長3年までという制約があります。

派遣期間終了のたびに次の仕事を探さなければならないので収入が安定しなくなるリスクがあります。

また、派遣スタッフは賃金や福利厚生の面で正社員ほどの待遇とならない場合があります。正社員が利用できるものが派遣社員は利用できないなど、派遣先企業によってはしっかりと線引きされているケースもありますので、その点は理解が必要です。

派遣社員の業務範囲は契約の範囲内であるため、業務内容が限定的となる可能性があります。派遣先によっては新しい業務に次々とチャレンジすることや責任の大きな仕事を経験することが難しいかもしれません。

自分のキャリアアップに必要な経験を積めるかどうかを事前に確認することをおすすめします。

紹介予定派遣と派遣、人材紹介の違いは?

紹介予定派遣と派遣、いわゆる「人材派遣」は、実際に働く企業(派遣先)と雇用契約を結ぶ企業(派遣会社)が異なるサービスです。

サービス利用者は事前に派遣会社に情報登録しておき、派遣先が決定したら派遣会社と雇用契約を結んで派遣先企業で働きます。

派遣会社との雇用契約になりますので、労働時間や賃金などの契約条件は派遣会社が決定し提示します。

「人材紹介」は人材を探している求人企業と仕事を探している求職者をマッチングさせて採用業務の支援を行うサービスで、紹介した人材の採用が決定した場合に求人企業から人材紹介会社へ紹介手数料が支払われるしくみになっています。

人材紹介会社の業務は求人企業への人材の紹介になりますので、雇用契約は求人を出した企業と求職者の間で結びます。

また、人材紹介の場合は直接雇用が前提となっていることも人材派遣とは異なっています。

紹介予定派遣と派遣、正社員の違いは?

紹介予定派遣・派遣と正社員の違いは雇用主と雇用形態です。

派遣スタッフの雇用主は派遣会社で、雇用形態は決められた期間(派遣期間)契約を結ぶ有期雇用派遣(登録型派遣)がほとんどです。

派遣会社の正社員となる無期雇用派遣(常用派遣)という雇用形態もありますが、有期雇用派遣と比べると数は少なくなっています。

対して正社員の雇用主は雇用会社で、雇用形態は無期雇用です。

有期雇用は契約期間が決められていますので、無期雇用の正社員と比較すると不安定な就業状況となる可能性があります。給与や福利厚生の面でも正社員と差がつくケースが少なくありませんので、その点も大きな違いです。

紹介予定派遣による正社員登用の確率はどれくらいか

ここまで紹介予定派遣について詳しく解説してきましたが、紹介予定派遣で働こうと考えている人が最も気になっていることは「紹介予定派遣による正社員登用の確率はどれくらいか」ということではないでしょうか。

厚生労働省の労働者派遣事業報告書の集計結果によると、令和3年度に紹介予定派遣から直接雇用に結びついた労働者の割合はおよそ57%です。この数字はあくまで直接雇用に至った割合であるため、契約社員も含まれます。

紹介予定派遣から正社員登用されたデータについては独立行政法人労働政策機構が調査しており、およそ57%という結果でした。

この2つの調査から推定すると正社員になれる確率はおよそ32%がひとつの目安になります。

直接雇用となると企業側も慎重にならざるを得ないため、このような結果となっているのではないでしょうか。

とは言え32%というのは決して届かない数字ではありません。派遣から正社員登用を目指す人はキャリアアドバイザーに相談して、紹介予定派遣の案件を紹介してもらいましょう。

(参考:厚生労働省 | 労働者派遣事業報告書の集計結果 | 令和3年度
(参考:独立行政法人 労働政策機構| 人材派遣会社におけるキャリア管理に関する調査 |

紹介予定派遣が向いている人

最後に紹介予定派遣が向いている人の特徴を解説します。

業務内容・職場環境、人間関係が気になる人は紹介予定が向いています。実際に働いて自分の目で環境を確認できますので、安心して直接雇用を選ぶかどうかを判断できるようになります。

自分のキャリアやスキルが不足していると感じている人にも紹介予定派遣はおすすめです。

通常の採用では勤務できないような企業であっても、紹介予定派遣であれば勤務できる可能性があり、さらに派遣期間中の働きによっては直接雇用の道もひらけるからです。

希望する業界や業種のハードルが高い場合も同じことが言えますので紹介予定派遣から直接雇用を狙いましょう。

就職活動・転職活動に苦労している人にも紹介予定派遣は向いています。

就職活動・転職活動に苦労している人は、履歴書や職務経歴書で自分をアピールする方法がわからない、面接で緊張してしまって上手く話せないなど、自分ひとりの力では解決できない問題を抱えていることがあります。

紹介予定派遣を使えば派遣会社から書類対策・面接対策、その他様々なサポートを受けられますので就職活動・転職活動の助けになります。

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人材派遣だけではなく、正社員の求人紹介もしているので長期的視点でのキャリア形成についても相談・対応ができます。

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まと

今回は紹介予定派遣と派遣の違いとそれぞれのメリット・デメリットについて紹介し、さらに掘り下げて派遣と人材紹介の違い、派遣と正社員の違いや紹介予定派遣が向いている人について解説しました。

紹介予定派遣は正社員や契約社員として直接雇用する前に、社風や業務内容を知ることができるので入社後のミスマッチが起きにくくなります。

また今の自分の経験やスキルでは採用されることが難しい企業の正社員になれるかもしれません。

契約期間働いて直接雇用が約束されないリスクはありますが、自分が活躍したいと考えて選んだ業種・職種で働いた経験、知識、スキルは確実に積み重なって自分の糧になります。

キャリアアップを実現するための第一歩として派遣登録し、紹介予定派遣を利用するのはいかがでしょうか。