商品開発では、食品試作と試食評価を繰り返して多く人々のニーズに応えられる商品を作り出しています。
あまり知られていませんが、より多くの消費者に求められる食品を作り出すために重要となる業務が、この「試食評価」で、良い商品の開発には適切な試食評価が欠かせません。
この記事では、食品試作における試作評価にフォーカスし、試作評価では一般的にどのようなポイントを評価しているのか、について解説していきます。
食品試作の評価ポイントとは?
試食評価は、レシピの開発者だけでなく商品の販売者を含めたさまざまな部門を交えて行い、次回試作への改良点や方向性を決めることを目的として行います。
評価項目は、「味」のほか、「見栄え」や「香り」がポイントとなります。
味は、食べる人やシーンによっても感じ方が異なるため、どのような層をターゲットにしているのかを踏まえて、ターゲット層の好みに近づけるのがポイントとなります。
また、最近では見栄えを重視する傾向も強く、見た目で美味しそうと感じるかどうかも、大きな要因となります。
そのため、食品の色合いやカット形状、具材の大きさ、配置などについて入念に評価を行います。
大き目にカットして食材をアピールするのか、それとも細かくカットして味に一体感を出すのか、といった判断も、食品の印象が大きく変化するでしょう。
そして消費者の購買意欲に大きく影響を与えるのが、香りです。
自然由来の香りが残っているか、魚や肉の臭みが消えているか、スパイスやハーブなどの使用も含めて、食べてみたいと思わせる香りを維持できているかなどについて評価を行います。
味の評価において重要となるポイント
味の評価においては、探求心と想像力が必要となります。
たとえば、食品の温度が低くなると塩味を感じやすくなるたり、温度が高くなると甘味を感じやすくなります。また、酸味は、時間の経過とともに強く感じやすくなるため、消費者がどのような状況で食品を食べるのかを想定し、その状況に合わせて調整することが重要です。
試作評価では、食品の硬さや味の馴染み方についても評価を行いますが、油分が多く、具材の形状が大きいものは、調味料が馴染みにくいことにも注意しましょう。
そのほか、加熱時間はもちろん食品の容器の殺菌も含めて、保存性の確保についても評価が必要です。 微生物を制御できるよう、殺菌条件の設定を確認します。
試食評価は、消費者のニーズに応えるために欠かせない、やり甲斐のある業務です。
どのような客層に、どういったシチュエーションで食べてもらいたいかを考えながら、食品試作を理想に近づけようとするゆるぎない気持ちが、適切な評価へと繋がっていくでしょう。
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