一般的にあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、商品開発や研究における分析業務のなかでも、重要とされる業務に「物性評価」というものがあります。
物性評価は具体的にどのような業務で、どんな業界で必要とされているのでしょうか。
今回は、物性評価の業務にスポットを当ててご紹介いたします。
物性評価の業務内容や、物性評価の業務に活かせる経験やスキル、どのような人が向いているかについてもチェックしておきましょう。
物性評価とは?
物性評価とは、開発商品に使用する材料や素材の物性・特性を分析し把握する業務を指します。
新たに製品を開発する際のほか、既存商品について物性評価が行われることもあります。
物性評価によって、材料・素材の物性を正確に把握することは、商品の安全性や品質の維持のために必要であることから、ものづくりを行う多くの業界・企業において、基本かつ重要な業務といった位置づけにあります。
具体的な物性評価の業務には、材料・素材の構造や性質についてマクロスケールなどを使用して測定し評価を行います。評価対象となる材料・素材には、金属材料や樹脂材といったものから、食品の原料など多岐に及びます。
たとえば、金属材料の分析評価では、電子顕微鏡を用いてナノレベルの微細構造や動粘度、密度などの測定のほか、硬さ計を用いた硬さ測定や金属組織データの採取、電気炉を使った物性比較などを含めて幅広く行います。
また、ガラス製造など高温を扱う製造設備に使用する金属部材やセラミックス部材について、耐熱性のほか耐食性、使用可能な寿命について評価を行うこともあります。
これらの評価に、万が一誤りがあり部材に問題が起きてしまうと、製品品質のほか、設備の破損や生産コストにも影響が出てしまうため、物性評価の業務は非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
物性評価の業務に活かせる経験・スキル
実務としてだけでなく学生時代を含めて、実験の経験や分析機器を取り扱った経験があれば、物性評価の業務に活かせることが多いようです。
また、特定の専門分野に関わらず、メカニズムについて論理的に思考する経験を積んでおくことで、正しく評価する力を付けることができるようになります。
多くの選択肢の中から粘り強く正しい評価を導き出せる根気の良さを持ち、論理的思考力を備えている人が、物性評価の業務に向いていると言えるでしょう。
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