派遣社員と正社員の仕事内容や給料の違いなどを解説!

派遣社員という働き方にどんなイメージを持っていますか?

  • 自分のスキルを活かして好きな仕事をしている
  • プライベートの時間をしっかり作れそう
  • パートやアルバイトよりは給与が高そう
  • 正社員と比べると待遇面で不利

派遣社員にも正社員にも、それぞれメリットとデメリットがあります。派遣と正社員の違いを理解することで、ワークライフバランスを実現するための最良の選択ができるのではないでしょうか。

今回は、派遣社員と正社員の違い、派遣・正社員のメリット・デメリット、どんな人に派遣がおすすめなのかについて解説します。

派遣社員と正社員のどちらの働き方にするか選ぶ際に、ぜひ参考にしてみてください。

派遣社員とは

派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結ぶ雇用形態をとり、派遣先の企業で就業する社員のことです。

雇用主は派遣会社となりますので、給与や社会保険の手続きは派遣先の企業ではなく、派遣会社が行います。

派遣社員として働くには、まず派遣会社に登録する必要があります。登録が完了したら自身が希望した条件に合った仕事をコーディネーターが探して紹介し、派遣先の企業とマッチングすれば、就業開始となります。

派遣会社と結ぶ雇用契約は、派遣先企業が決まってから派遣会社と決められた期間(派遣期間)契約を結ぶ有期雇用派遣(登録型派遣)と派遣会社の正社員となる無期雇用派遣(常用派遣)の2つがありますが、「派遣社員」のほとんどは有期雇用派遣です。

紹介予定派遣」という派遣の形態もあり、これは「派遣期間終了後に派遣先の企業と直接雇用契約を結ぶことが前提となる派遣」のことで、派遣社員から正社員になることも可能です。

正社員とは

正社員とは、正規雇用で雇われた働き手のことで、雇用主は勤務先の会社です。

基本的に雇用期間は無期契約で、1日8時間・週5日のフルタイム勤務が一般的な働き方になります。

正社員は無期雇用のため雇用が安定しており、給与も他の雇用形態と比べると高く設定されている場合が多いです。社会保険をはじめ、会社によっては住宅・家賃の補助があるなど、福利厚生の面でも優遇されることが多く、恵まれた就業環境で働くことができます。

また、正社員はスキルアップ・キャリアアップのために責任のある仕事を任されることが多く、かつ仕事の範囲も多岐にわたるので、自分自身をより成長させたいという強い想いを持っている人に向いている働き方です。

安定している働き方ではありますが、派遣社員のように柔軟に就業の仕方を調整するということはできず、異動や転勤の命令には基本従うようになりますので自分の希望通りの職種や勤務地で働くことは難しい場合があります。

派遣社員と正社員の違い

派遣社員と正社員の一番大きな違いは雇用主です。派遣社員は派遣会社に雇われ、正社員は勤務先の企業に雇われます。たったそれだけのこと?と思うかもしれませんが、雇用主が違うことで、それぞれの就業環境には違いが生じます。

では、2つの働き方にはどのような違いがあるのでしょうか。主な項目について表にまとめましたのでご確認ください。

派遣社員正社員
①雇用主派遣会社勤務先企業
②雇用期間有期雇用(最長3年)無期雇用
③給与時給制月給制
④労働時間本人の希望、派遣先企業に合わせて調整1日8時間・週5日のフルタイム勤務
⑤勤務地派遣先企業雇用主が指定した勤務先
⑥仕事内容派遣先企業との契約時に決めた仕事内容会社が指示した仕事、内容は多岐にわたる
⑦福利厚生派遣会社から受けられる※派遣先の福利厚生を受けられる場合もあり勤務先企業から受けられる
⑧面接から採用まで派遣会社に登録し、派遣会社から仕事を紹介され就業する採用されやすい勤務先企業が面接、採用を行う採用されにくい

派遣社員と正社員の違いについて、詳細まで解説しますので参考にしてください。

①雇用主

派遣社員の雇用主は派遣会社です。派遣社員として働く際は、まず派遣会社に登録をしますが、この時は雇用契約を結びません。登録後に企業とマッチングし、派遣先が決まった段階で派遣会社と契約します。給与の支払いや社会保険の手続きは派遣会社が行います。

正社員の雇用主は実際に働く勤務先の企業になります。給与の支払いや社会保険の手続きは直接雇用している勤務先企業が行います。

②雇用期間

派遣社員の雇用期間は基本的に有期雇用になります。派遣先企業が決まったタイミングで派遣会社と雇用契約を結びますが、この時に雇用期間が決定します。なお、派遣社員の場合、同じ勤務先で働き続けられる期間は3年が上限となっています。

例外として派遣会社の正社員となる場合は、無期雇用(常用派遣)となります。

正社員の雇用契約は無期雇用で、会社が定めた定年まで働くのが基本です。雇用が安定しているのは正社員の特徴です。

③給与

派遣社員の給与は時給制で計算され支給されるケースがほとんどです。仕事内容や勤務地、勤務時間などの融通がききますが、休みが多いほど所得が減る点は注意が必要です。

正社員の給与は月給制が一般的です。勤務日数に関係なく、毎月決まった額の給与が支給されるので、安定した収入を得ることができます。

④労働時間

勤務日数や勤務時間の希望を伝えて、比較的自由に働けるのが派遣社員の特徴です。勤務条件の希望については派遣会社に登録した際にヒヤリングされ、条件を加味してコーディネーターが仕事を紹介してくれるため、安心して仕事に取り組めます。

正社員はほとんどの場合、1日8時間・週5日のフルタイム勤務となります。企業によっては条件を満たせば時短勤務ができる場合がありますが、一時的なもので派遣社員と比べると自由度は低くなります。また、派遣社員と比較すると残業も多くなりがちです。

⑤勤務地

派遣社員の勤務地は、派遣先の企業になります。派遣社員として働く際は、勤務地の希望も伝えられますので、転勤などの心配はなく住環境が安定します。

正社員は会社が指定した勤務地で働きます。全国展開している企業であれば日本全国に転勤する可能性がありますし、海外に拠点がある企業なら海外転勤もあり得ます。異動の辞令は基本的に受け入れなければなりません、また断れば自分のキャリアに影響することも考えられますので注意が必要です。

⑥仕事内容

派遣社員は契約時に定められた仕事内容で働きます。基本的には契約書に記載のない業務を行うことはなく、そのため仕事内容が限定的となる可能性があります。

新しいことに次々とチャレンジしたい人には少し物足りないかもしれませんが、専門的に自分のスキルを高めていきたい人にとっては、より良い働き方と言えるのではないでしょうか。

正社員は会社が指示する仕事を行い、仕事の幅に制限がなくさまざまな仕事を行います。また、社内の配置転換によってこれまで営業をしていた人が経理の仕事をすることになるといったことも考えられます。

また、非正規雇用と比べると責任の大きな仕事をまかされることが多くなります。自分のスキルアップやキャリアアップに繋がるものの、多少のプレッシャーを感じる人もいるでしょう。

⑦福利厚生

派遣社員の福利厚生は、派遣会社から受けられます。労働者派遣法の改正により派遣社員の福利厚生について待遇差をなくすことが求められていますが、正社員と比べると充実度に差があるのが現状です。

正社員は勤務先企業から福利厚生を受けます。社会保険や有給休暇はもちろんのこと、住宅手当や家族手当など企業が定める全ての福利厚生を利用できるので、派遣社員よりも充実しているケースが多いです。

⑧面接から採用まで

派遣社員は、派遣会社に登録するところからスタートし、仕事の紹介を受け、派遣先の企業とマッチングしたら就業開始となります。

有期契約のため、派遣社員は正社員と比較して採用されやすく、すぐに働きたいという人は派遣社員として働く選択をするのも良いかもしれません。

正社員の場合は、勤務先企業が面接と採用を行います。正社員は無期契約で定年まで働くケースがほとんどのため、採用の難易度は高くなります。

派遣社員のメリット・デメリット

派遣会社と契約し、比較的自由に働けることが魅力の派遣社員ですが、派遣という働き方にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
以下で紹介しますので、参考にしてください。

派遣社員のメリット

派遣社員のメリットから確認していきましょう。

派遣社員のメリットは、自分のライフスタイルに合わせて働き方を自由に選べることです。派遣として働く場合、勤務時間や勤務日数、職種や仕事の内容まで希望条件を伝えて自分にあった仕事を紹介してもらえます。

勤務時間もある程度コントロール可能なため自分の時間をしっかりと確保できるので、習い事や勉強でスキルアップをしたり、家族と過ごす時間を作ったりと、プライベートを充実させることができます。

また、派遣社員という立場ゆえ、自分で選択すれば様々な職場で働けるのも派遣のメリットです。

マスコミ系やクリエイティブ系の仕事は正社員としての採用は難しいですが、派遣社員としてなら働けるチャンスがあります。憧れの業種・業界で経験を積みキャリアップを図れるのは派遣の強みです。

時給制の働き方はたくさんありますが、派遣はその中でも時給が高いことが特徴です。パートやアルバイトとして働くよりも、効率的に短期間・短時間で高収入を得られる可能性があることも派遣のメリットです。

派遣社員のデメリット

派遣社員のデメリットについても確認していきます。

派遣社員のデメリットは、有期雇用契約がほとんどのため正社員よりも雇用が安定しないことです。

派遣社員の雇用契約は、派遣先企業が決まってから派遣会社と決められた期間(派遣期間)契約を結ぶ有期雇用派遣(登録型派遣)が基本です。

派遣先の企業と派遣スタッフの合意があれば雇用期間を延長できますが、最長でも3年までという決まりになっており、長期間安定して働くことが難しいと言えます。

受けられる福利厚生が正社員と比較すると待遇差があることもデメリットです。法改正によって派遣社員の福利厚生は年々良くなってきてはいますが、それでも正社員とまったく同じというのは難しいのが現状です。

責任のある仕事を任せて貰えない可能性があるというのもデメリットと言えるでしょう。派遣社員の仕事内容は契約の範囲内と定められているため、決まった仕事をやり続けることになるかもしれません。

1つの職場で様々な業務にチャレンジすることは難しいので、自分のキャリアアップ・スキルアップのためには、どんな仕事内容でどんな経験を積めるのか事前にしっかりと確認したほうが良いでしょう。

正社員のメリット・デメリット

安定している働き方というイメージのある正社員ですが、どんなメリット・デメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

正社員のメリット

正社員のメリットは以下のものが考えられます。

正社員として働くことのメリットは、無期雇用のため非常に長い期間安定して働けることです。大きな問題が生じなければ就職してから定年退職までしっかりと働くことができます。

正社員は非正規雇用と比べると収入も高くなりやすいこともメリットです。会社の仕組みにもよりますが、同じ会社に長く勤めた場合や昇進した場合は給与が増えるのが一般的です。

賞与やインセンティブなど月給の他にも収入がありますし、退職金がもらえるのも正社員の強みです。

正社員は社内でのスキルアップ・キャリアアップが期待されているため、責任のある業務を任されたり、教育にコストをかけてくれたりと、自分自身をより成長させやすい環境が用意されるというメリットもあります。

社内でのキャリアアップは収入が上がることにも繋がるため、仕事のモチベーションも高まることでしょう。

正社員のデメリット

正社員という働き方にもデメリットはあります。どんなものがあるか確認していきましょう。

正社員のデメリットは、勤務条件に対しての自由度が高くないことです。勤務条件やルールは企業によって異なりますが、派遣社員のように自由に勤務時間や勤務地を選べることは稀です。

全国展開・海外展開をしている企業で働いていれば、いつどこへ転勤の辞令が出るかわかりません。住み慣れた家を引っ越さなければならない場合もあるでしょうし、家族がいる人は配偶者の仕事や子どもの学校についても考えなければなりません。

自分がやりたい仕事ができない可能性があることもデメリットです。正社員は勤務先企業から指示された仕事をします。運良く自分が希望した仕事ができる、希望の部署に配属される可能性はあります。しかし、配置転換が発生すれば自分の希望通りの環境で働き続けるのは難しいでしょう。

責任のある業務を任されることはメリットでもありますが、責任に対してストレスやプレッシャーを感じる人にとってはデメリットとも言えます。責任を持って仕事を完了させるために残業時間が増える可能性もあり、理想のワークライフバランスから遠ざかってしまう可能性もあります。

派遣社員と正社員に似た働き方

派遣社員としての働き方のなかに、正社員と似た働き方があることを知っていますか?ここでは紹介予定派遣と無期雇用派遣社員という2つの働き方について解説します。

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは「派遣期間終了後に派遣先の企業と直接雇用契約を結ぶことが前提となる派遣」のことです。

派遣期間は最長で6ヶ月間で、派遣期間終了後に派遣社員と派遣先企業が合意すれば、直接雇用への切り替えが可能です(派遣期間中でも双方の合意があれば直接雇用に切り替え可)。

通常、正社員で働く場合、事前に職場で働いて具体的な仕事の内容や社内の雰囲気を知ることは必ずしもできるわけではありません。

紹介予定派遣なら、実際に働いてから雇用となりますので、自分が働く環境をしっかりと理解した上で就職できます。入社後のミスマッチを心配しなくても良くなるのは大きなメリットです。

直接雇用が前提であるため、有期契約の派遣とは就業開始までのプロセスに違いがある点には気をつけましょう。

有期契約の派遣の場合、派遣先企業が「書類審査」や「面接」を実施することは認められていませんが、紹介予定派遣の場合はそれが認められています。

そのため、派遣社員受け入れ前の事前審査で就業が断られる可能性があり、通常の派遣よりもハードルが高くなっています。

紹介予定派遣と派遣社員の違いは下記で詳しく説明しています。
ご興味のある方はご確認ください。

【参考記事】 紹介予定派遣と派遣の違いは?自分にあった方法でお仕事探し

無期雇用派遣社員

無期雇用派遣社員とは、派遣会社と直接雇用契約を結んで正社員と同等となる働き方のことで、常用派遣とも言われます。

同じ職場への派遣社員の派遣期間は「最長で3年まで」と法律で定められていますが、無期雇用派遣になればその制約がなくなり、同じ職場で長期間働くことが可能となります。

働く環境が長期間安定するならば、スキルアップやキャリアアップについて契約期間を気にせずに長期的な視点で考えることができます。これは大きなメリットと言えるでしょう。

有期雇用派遣は派遣期間終了のたびに次の仕事を探す必要があるので、収入が安定しなくなるリスクがありますが、無期雇用派遣なら雇用期間が切れるということがありませんので、その心配は無くなります。

また、無期雇用派遣では月給制となるケースが一般的で、時給制の有期雇用派遣と比べ、大型連休などの与件があっても給料額が変動することはありません。

派遣社員に向いている人

派遣社員と正社員、どちらの働き方にもメリット・デメリットがあります。また、働く人が何を重視するかによっても、おすすめの働き方は変わります。

それでは、どんな人に派遣社員は向いているのでしょうか。ポイントを5つご紹介します。

ワークライフバランスを重視する人

ワークライフバランスを重視する人には派遣社員が向いています。

派遣社員は勤務時間や勤務日数、勤務地、職種や仕事の内容といった希望の勤務条件を派遣会社へ伝えて、派遣会社はその希望を加味して仕事を紹介します。
派遣社員なら、自分の時間を作ってプライベートを充実させる、自分のやりたい仕事がしっかりとできるといった、理想のワークライフバランスを実現させやすいと言えます。

育児や介護、通学などを両立させたい人

育児や介護、通学などを両立させたいと考えている人には派遣社員が向いています。

派遣社員なら自分の都合に合わせて勤務時間を調整できますので、育児や介護の時間を確保することも、スキルアップのための勉強時間を確保することもできます。

スキルを活かした仕事をしたい人

自分のスキルを活かした仕事がしたい人には派遣社員が向いています。

派遣社員は仕事の内容を選べますので、自分のスキルや経験を活かして専門職的な働き方が可能です。

幅広くスキルを習得し高めていくのではなく、特化型で自分の専門性を高めていくようなスキルアップがしたい人は派遣社員がおすすめです。

すぐに働き始めたい人

すぐに働き始めたい人は派遣社員が向いています。

派遣社員は正社員よりも採用の難易度が低く、筆記試験や適性検査、面接といった採用までのプロセスも少ない場合が一般的です。

そのため、就職活動開始から働き始めるまでの期間を短くできます。できるだけ早く働いて収入を得たい、スキルアップしたいと考えている人は派遣社員を目指すのはいかがでしょうか。

職種にこだわって働きたい人

職種にこだわって働きたいと考えている人には派遣社員が向いています。

派遣社員なら自分が希望する職種や仕事の内容にあった仕事を派遣会社に紹介してもらえるからです。

派遣社員の仕事内容は契約によって保証されますので、正社員のように仕事の内容が急に変わることはありません。

職種にこだわって自分の力を発揮して働きたい人は派遣社員で働くのも一つの手段です。

職種にこだわって働きたい方はRDサポートがおすすめ

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人材派遣だけではなく、正社員の求人紹介もしているので長期的視点でのキャリア形成についても相談・対応ができます。

現在転職を考えている方はもちろん、今のお仕事を続けていくべきか悩んでいる方、初めての転職で不安な方も、まずはRDサポートのキャリアアドバイザーに相談してみませんか。

まとめ

今回は派遣社員と正社員の違い、それぞれのメリット・デメリットについてと、派遣社員という働き方がどんな人に向いているのかを解説しました。

派遣社員と正社員のどちらの働き方が良いのかは、自分が何を重視するのか、どんなライフスタイル、キャリアアップをしたいのかによって変わります。

自分がより良い環境で、より満足して働くために、しっかりと考えて働き方を選びましょう。

RDサポートでは、アドバイザーとキャリア形成の相談もできますので、ぜひご利用ください。