研究職の派遣で専門職に就こう!業務内容や給与、将来性などは?

理系出身の人にとっては、研究職は憧れの職業の1つだと思います。

しかし、研究職は採用枠が少ないことから就職難易度が高く、実際に働くのは難しい職業でもあります。

「研究職を目指しているけど、正社員は難しい…」そんな悩みを持っている人は「研究職の派遣で働く」という選択肢も検討するのはいかがでしょうか。

派遣社員という働き方であれば、正社員よりも就職の難易度は下がり、研究職の仕事に就ける可能性が上がります。

今回は、研究職の就活をするために必要な基礎知識、研究職派遣社員がどんな風に働いているのか、研究職の派遣社員で働くメリット・デメリットを解説します。

研究職を志望している人は、この記事をぜひ参考にして就職活動を進めてください。

研究職とは

研究職とは、大学、研究機関、企業などでさまざまな研究プロジェクトに従事して、製品開発や新しい技術を発見する仕事です。

研究職は「基礎研究」と「応用研究」の2種類に分けられ、どちらの段階の研究を選ぶかによって業務内容も変わります。

基礎研究は、新しい知識や技術、原理原則の発見を目的とした研究です。

一方で応用研究は、基礎研究で発見された知識などを基にして、製品開発やシステム開発などの応用方法を探索する研究です。

研究職に就きたいと考えている人は、自分がどちらの研究に携わるのかを決めてから仕事探しをしましょう。

業界

研究職に就きたいと考えている人は、業界について正しく理解しておきましょう。

業界とは「企業が提供する商品やサービスで分類したもの」です。一般的に業界は以下の8つに分けられます。

① メーカー
② 商社
③ 小売
④ 金融
⑤ サービス
⑥ マスコミ
⑦ ソフトウェア・通信
⑧ 官公庁

研究職はその性質上、メーカー業界と関わることが多くなっています。メーカー業界は、原材料を加工して製品の製造、新製品の開発、製品の販売などを行っていて、製造業と呼ばれることもあります。

私たちの暮らしに関わっている全てのモノは大小様々なメーカーが製造しており、日本を支える根幹産業とも言えます。

メーカー業界は扱っているモノによって、さらに分類分けができます。今回は研究職派遣が特に関わることの多い業界について以下で解説します。

食品

食品業界は、あなたが日常的に口にする食品を製造、加工、流通、販売する業界です。

食品と一口に言っても種類は様々なものがありますよね。食品メーカーは製造している製品によって、以下のように分類されます。

・ 食肉・水産加工品
・ 調味料
・ 飲料・酒類
・ 菓子
・ 冷凍食品
・ 即席麺
・ 乳製品

食品業界の研究職は、上記の製品の研究開発や生産・品質管理に関わります。

創薬・製薬・臨床

創薬・製薬・臨床の業界は、医薬品の製造を担っています。

私たちが、病気に罹った際や怪我をした際に処方される薬は、製薬会社が研究を重ねて開発したものになります。

製薬は、病気や怪我に有効な成分を発見する基礎研究から始まります。自然素材から有効成分を抽出する方法や化学合成を用いることで、新薬の候補となるものを作ります。

新薬の候補ができたら、動物実験や試験管内試験で薬効や安全性、毒性を確かめるフェーズに移行し、この過程は非臨床試験と呼ばれます。

非臨床試験をクリアした新薬の候補は、臨床試験をして人体にとって安全か、薬の成分は効果があるのかを確認します。

臨床試験にて安全性と有効性、品質が認められた場合は、厚生労働省に新薬承認の申請を行い、認可が下りれば製造・販売が可能になります。

創薬・製薬・臨床業界の研究職は上記の過程に携わることになります。

化学

化学業界は、化学反応を利用して原材料から様々な製品を作り出しています。

プラスチックやガラス、化学繊維、合成ゴムなど、みなさんが日常手にしているものは化学メーカーが作っているのです。

化学業界はその構造から「川」に例えられて説明され「川上」「川中」「川下」に分類されます。

川上では、石油・石炭・天然ガス・鉱石などから化学製品を製造します。ナフサやエチレン、ベンゼンなど原油や天然ガスを精製して得られた製品がこれに該当します。

川中は、川上で製造された原材料を加工して最終製品の素材を作ります。衣類の素材となる化学繊維、車のタイヤなどに使われる合成ゴムを製造しているのは、川中の企業です。

川下では、私たちが手にする最終製品を製造しています。化粧品、洗剤などの日用品や電子部品などは川下の事業になります。

化学業界のビジネスを理解していれば、就職活動時の業界研究に役立ちますので、ぜひ覚えておきましょう。

職種

職種とは、業務内容によって分類した仕事の種類のことです。

化粧品を製造・販売する企業があるとしましょう。会社が利益を生み出すためには、販売する製品を開発する仕事、開発した商品を販売店へ営業する仕事が必要になりますね。

他にも組織として成り立つためには、人事、総務、法務、経理などのバックオフィスが必要になります。

職種は個人に割り当てられた仕事の種類のことであり、企業の事業内容を指すものではありません。

派遣の研究職が関わるケースが多い職種を以下で解説します。

品質管理

品質管理は、製造された製品を検査して品質をチェックする仕事です。また、製品製造のための計画や生産体制、仕組みのチェックも仕事の範囲に含まれます。

食品、医療、自動車などの分野においては、品質の問題が安全に直結するため、重要視されている職種になります。

品質保証

品質保証は、製造した製品の品質が維持されているかを確認し保証するのが仕事です。

具体的には、販売した製品に問題があった場合の対応や顧客のサポート体制を整えること、それらの対応によって得られたデータを自社内へフィードバックすることが挙げられます。

商品開発

商品開発は、その名のとおり商品や製品を開発する仕事です。商品企画が作る新商品の企画書やプレゼン資料を元にして、実際に商品にするまでを担当します。

また、商品開発は新商品の開発だけではなく、既存の取り扱い商品の改善や改良にも携わります。

商品に関する知識、市場のニーズを把握するマーケティングスキル、社内外との調整をするコミュニケーション能力などが求められる仕事です。

基礎・応用研究

基礎・応用研究は、研究職の種類のことです。

基礎研究は、まだ誰も発見していない知識、技術、理論を探索することを目的とします。これまでに無いものを創造する研究のため、忍耐力や根気、発想力などが求められる仕事です。

応用研究は、基礎研究で発見された知識・技術を使って製品開発やシステム開発をする仕事です。

基礎研究の成果を深く理解する力と、市場のニーズを把握して研究結果を応用し製品化する発想力が必要な仕事になります。

臨床開発・治験

臨床開発は、新薬を販売するために必要なデータ(安全性、有効性、副作用の有無など)を収集し、それを資料にまとめ、厚生労働省に新薬承認申請して承認を得るまでを仕事の範囲としています。

治験は、新薬の承認を得るための「臨床試験」のことを指します。

どちらも新薬に関わる仕事で、新薬が世に出れば多くの人に貢献できやりがいがある仕事です。

研究職の派遣社員はどのように働いている?

研究職の派遣社員はどのように働いているのでしょうか。

実際に働くとしたら、仕事の内容や給与などが気になりますよね。派遣研究職のキャリアアップに興味がある人もいるでしょう。

以下で詳しく解説します。

研究職で働く派遣社員の業務内容は?

研究職で働く派遣社員の業務内容は、派遣先企業の方針や携わるプロジェクトによって変わりますが、一般的には研究補助者や技能者として研究者の業務補助を行うケースが多いようです。

研究補助者は、研究・実験業務のサポートが主な業務になります。具体的には、実験器具の取り扱い(洗浄、滅菌、収納など)やデータの計測・記録作業などを行います。

技能者は、実験で得られたデータを分析したり、研究者から指示を受けて研究室作業をするのが主な業務になります。

もちろん、本人の働きぶりや、知識・スキルの習得状況によって関われる仕事の範囲は変わりますし、紹介予定派遣として働いて正社員登用される可能性もあります。

【参考記事】紹介予定派遣と派遣の違いは?自分にあった方法でお仕事探し

研究職で働く派遣社員の給与はどのくらい?

研究職で働く派遣社員の給与は、正社員と比較すると低くはなりますが、一般的な派遣社員の給与よりは高くなるケースが多いです。

地域や仕事の内容によって異なりますが、一般的な派遣社員の時給は1,500円~1,600円ほどです。研究職派遣の場合は、時給が2,000円を超える求人もあり、派遣社員の中では給与面が優遇されています。

派遣先企業が求めるスキルや経験を持っている場合は、さらなる時給アップが見込めるケースもあります。

給与についてもっと具体的に知りたいという人は、派遣会社に登録をしてコーディネーターに仕事を紹介してもらうことをおすすめします。

また、派遣会社に登録すると非公開求人の閲覧が可能になる場合があります。非公開求人は一般公開されている求人よりも好待遇であるケースが多いため、時給の高い仕事を探したい人は派遣登録をしましょう。

研究職で働く派遣社員のキャリアアップは?

研究職で働く派遣社員のキャリアアップは、派遣先企業や派遣期間の影響を大きく受けます。

派遣先企業での業務を通じて、スキルを身に着けていくことになりますが、業務の範囲や裁量権の大きさによっては、身につくスキルが限定的になるかもしれません。

業務内容が実験補助のルーティンワークだった場合、実験をスムーズに行うためのスキルや知識を得ることはできますが、研究者として必要な独創性や創造性、論理的に考える力は身につけるのが難しくなります。

派遣期間が短期間のケースだと、そもそもスキルや知識の習得が難しくなります。派遣社員の場合は、同じ派遣先で働けるのは3年までというルールがあるため、同じ職場で専門性を高め続けることができないことも考慮に入れておいた方が良いでしょう。

研究職派遣でキャリアアップを目指す人は、業務以外の時間も使ってスキルアップに取り組むことが必要です。

紹介予定派遣を利用して派遣先企業の正社員となる選択肢も存在します。

紹介予定派遣とは「派遣期間終了後に派遣先の企業と直接雇用契約を結ぶことが前提となる派遣」のことで、派遣期間の働きぶりを審査され基準をクリアできれば派遣先企業で正社員になれます。

紹介予定派遣を受け入れているかは、派遣先企業によって異なりますので、派遣会社のコーディネーターに確認するのが良いでしょう。

研究職の派遣社員として働くメリット・デメリット

研究職の派遣社員で働くメリット・デメリットはどんなものがあるのでしょうか。

メリット・デメリットの両方を理解していれば「研究職の派遣社員という働き方が自分に合っているか」の判断材料になりますので、参考にしてみてください。

メリット

研究職の派遣社員で働くメリットは、研究職という仕事に就きやすいことです。

研究職の正社員は、採用の枠が狭く倍率が高いことから、志望していても就職するのが難しいのが現状です。

研究職の派遣社員であれば、正社員よりも就職の難易度は下がり、研究職の仕事に就きやすくなります。

ワークライフバランスを重視して働けることも研究職派遣のメリットです。

派遣社員は仕事を探す際に、勤務時間や勤務日数、勤務地などの勤務条件を派遣会社に伝えて仕事を紹介してもらいます。

ライフスタイルに合わせて柔軟に働けるため、プライベートな時間を大事にしながら働きたい人にとって魅力的な働き方になるでしょう。

派遣期間が決まっているというのも、考え方によってはメリットになります。通常の正社員の場合、自分が希望する部署で働くことや希望する業務内容を任せられるというのは難しいケースが多いです。

派遣社員なら仕事の内容を自分で選べますので、派遣期間ごとに様々な分野、業界、職種を渡り歩いて、多様な経験を積むことができます。

自分の計画次第でいくらでもキャリアアップは可能です。

デメリット

研究職派遣のデメリットについても確認していきましょう。

雇用が安定しないことは派遣のデメリットです。通常の派遣の場合、派遣先企業が決まってから派遣会社と雇用契約を結び就業開始となります。

派遣期間が終了すれば次の仕事先を探す必要があるため、雇用が安定しないケースも考えられ、その場合は収入が不安定になります。

正社員との待遇差があることも研究職の派遣社員で働くデメリットです。

近年では、正社員と派遣社員の待遇差は改善に向かってはいますが、給与や受けられる福利厚生には差があるのが現状です。

待遇は派遣先企業のルールによって変わりますので、なるべく正社員と同等の給与をもらいたい、福利厚生を受けたいという人は、派遣会社のコーディネーターに相談しながら仕事を探すのが良いでしょう。

派遣先での業務内容が限定的になる可能性があることもデメリットです。

派遣社員の業務範囲は派遣先企業によってしっかりと決められているため、新しい業務に挑戦することや、責任の大きな仕事をすることが難しい可能性があります。

もちろん、派遣先企業のルールや考え方によっても業務の範囲は変わりますので、自分のキャリアアップを重視する人は、派遣会社にそのことを伝えてから仕事を探すようにしましょう。

派遣の研究職を探す際のポイント

派遣の研究職を探す際のポイントは、自分が希望する勤務条件を整理して何を優先するかを決めてから仕事探しをすることです。

派遣社員は働き方の自由度が比較的高い職業です。それ故に、優先順位をつけずに仕事探しを始めると、どの仕事を選べば良いか悩んでしまいます。

自分が優先する条件をしっかりと決めていれば、仕事探しの軸も決まるので、就職活動がスムーズになります。

派遣の仕事探しの条件は、以下のものが挙げられます。

① 仕事内容
② 給与や福利厚生
③ 勤務時間、勤務日、休日
④ 勤務地
⑤ 求められるスキルや経験
⑥ 自分のキャリアアップ
⑦ 雇用形態(通常派遣、紹介予定派遣など)と派遣契約期間

派遣会社のサポートを受けられることは派遣社員の特権ですので、勤務条件の優先順位づけに迷った人は、コーディネーターと相談しながら仕事探しをしてみるのも1つの方法です。

仕事探しで現在悩んでいる人は、とりあえず派遣登録をしてみましょう。

【参考記事】派遣は登録だけしてとりあえず仕事を探すだけでもOKな理由を解説!

派遣社員の研究職を探すならRDサポートにお任せ

派遣社員の研究職を探している人には、RDサポートがおすすめです。

食品・創薬・製薬・臨床分野の研究開発職に特化した人材派遣会社で大手上場企業からベンチャー企業まで1000件以上の企業との取引実績があるため、たくさんの選択肢から研究開発職の求人を探すことが可能です。

RDサポートのキャリアアドバイザーは理系出身で構成されているので経験知識が豊富です。特化型の人材派遣会社であるため業界に精通していて的確なアドバイスとスピーディな問題解決が期待でき、かつサポート体制が充実しているため安心して利用できる派遣会社です。

人材派遣だけではなく、正社員の求人紹介もしているので長期的視点でのキャリア形成についても相談・対応ができます。

理系の知識を活かして、派遣社員の研究職に就きたいという人は、RDサポートに登録して仕事を探すことをおすすめします。

まとめ

今回は、研究職の就活をするために必要な基礎知識、研究職派遣社員がどんな風に働いているのか、研究職の派遣社員で働くメリット・デメリットを解説しました。

研究職は正社員として就職するのが難しい職業ですが、派遣社員なら働くチャンスが広がります。

正社員は難しかったけど、どうしても研究職で働きたい人やワークライフバランスを重視しながら研究職で働きたい人は、研究職の派遣社員を目指してみるのはいかがでしょうか。

まずは情報収集のために、派遣登録をすることをおすすめします。