派遣のメリットを徹底解説!働き方のポイントと比較

働き方の「多様性」は、近年ますます重要視されています。

リモートワークやフレックスタイムで柔軟な働く人、フリーランスとして働く人など、個人の価値観でさまざまな働き方を選択できます。

雇用形態でいえば、正社員ではなく、比較的自由に働ける「派遣社員」を選択する人も増えてきました。

今回は、派遣社員とその他の雇用形態(正社員、契約社員、パート)との違い、派遣社員として働くメリットとデメリット、派遣社員という働き方はどんな人に向いているかを解説します。

自分に合った働き方を探している人、派遣社員という働き方に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

派遣社員と正社員の違い

就職や転職の際に、派遣社員として働くか、正社員として働くか、どちらの働き方が今の自分に合うのか、そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、派遣社員と正社員の違いについて解説します。

それぞれの特徴を理解して、自分にあった働き方を選んでください。

参照記事:派遣社員と正社員の仕事内容や給料の違いなどを解説!

雇用主の違い

派遣社員と正社員は雇用主に違いがあります。

派遣社員の雇用主は派遣会社であり、就業先企業とは雇用契約を結びません。派遣社員として実際に勤務するためには、まず派遣会社に登録し、就業先の企業が決まった段階で派遣会社と雇用契約を結びます。その後、派遣先で勤務開始となります。

一方で、正社員の場合は、実際に働く勤務先の企業が雇用主になります。

給与の支払いや福利厚生の提供、社会保険の手続きは、それぞれの「雇用主」が行います。

就業日数と就業時間の違い

就業日数と就業時間にも違いがあります。

派遣社員は、希望する就業日数や就業時間を派遣会社に伝えて、条件に合った派遣先を紹介してもらうため、比較的自由に働けます。

フルタイム・週5日勤務でしっかり働く人もいれば、1日4時間の週3日勤務など働くペースを絞る人もいます。

自分のライフスタイルに合わせて、自由に働き方を選べるのが派遣社員の魅力です。

一方で、正社員は、1日8時間・週5日の勤務となるケースがほとんどです。企業によっては、週4日勤務など就業の基本条件が変わるケースがありますが、特殊な事例になります。

また、正社員の場合は、派遣社員と比べて残業が多くなる傾向があり、勤務時間を自分でコントロールするのが難しい働き方と言えます。

働く期間の違い

働く期間についても違いがあります。

派遣社員は、基本的に有期雇用契約を結んで働くため勤務期間に定めがあり、契約期間=派遣期間となります。

派遣先企業から継続して働いてほしいといった要望があれば、契約更新で派遣期間を延長することもできますが「同じ勤務先で働き続けられる期間は3年まで」というルールがあります。

この派遣の3年ルールは、派遣社員の雇用安定とキャリアアップのために「労働者派遣法」で定められているため、希望しても同じ職場で働き続けることはできません。

正社員は無期雇用契約で雇用されますので、会社が定めた定年まで働くケースがほとんどです。

雇用期間の心配をせずに安心して働けるのが正社員の特徴です。

参照記事:派遣社員に適用される3年ルールとは?

福利厚生(交通費・各種手当)の違い

福利厚生(交通費・各種手当)は、それぞれの雇用主が提供します。

派遣社員は派遣会社から福利厚生を受けますが、正社員と比較すると手当などの数は少ない傾向があります。

そのかわり、派遣社員のスキルアップのための研修・セミナーやサポートが多いのが特徴です。

福利厚生も重視して働きたいという場合は、派遣会社がどんな福利厚生を提供しているのか調べてから、派遣登録をするのが良いでしょう。

なお、正社員の福利厚生は勤務先企業が提供します。社会保険や有給休暇など基本的なものはもちろん、住宅手当、家族手当、単身赴任手当、出張手当などが提供され、派遣社員よりも福利厚生が充実しているケースが多いと言えます。

派遣社員と契約社員・パートの違い

雇用形態には、派遣社員や正社員の他にも「契約社員」「パート」などが挙げられます。

パートの働き方はイメージできる人が多いと思いますが、契約社員については派遣社員との違いがわからないという人もいるのではないでしょうか。

ここでは、契約社員とパートは、派遣社員と比較してどんな違いがあるのか以下で解説します。

前述の派遣社員や正社員の働き方と比較して、自分にはどの雇用形態・働き方が合っているかの参考にしてみてください。

派遣社員と契約社員の違い

派遣社員と契約社員の大きな違いは以下のとおりです。

雇用主

契約社員の場合は、実際に働く勤務先の企業が雇用主となり、直接雇用契約を結んで働きます。

雇用期間

契約社員の雇用期間は、就業先の企業と直接契約を結ぶ段階で提示された期間になります。契約社員も派遣社員と同様に、勤務先から契約更新の提案があれば、期間を延長して勤務可能です。

契約社員の雇用期間の上限は、一部の例外(公認会計士、医師などの厚生労働大臣が定める専門職)を除いて3年です。

契約社員の場合は「無期転換」の申込権についても覚えておきましょう。契約期間が3年の場合は1回目の更新後の3年間に、契約期間の通算期間が5年を超える場合に、無期転換の申込権が発生します。

仕事内容

契約社員は、企業によっても異なりますが、勤務先企業の正社員と同様の仕事をするケースが多く、仕事内容は派遣社員よりも多岐にわたります

福利厚生

契約社員は、正社員ほどの福利厚生は受けられませんが、企業によって住宅手当や家族手当などの各種手当を提供する場合があり、派遣社員よりは福利厚生が充実しています。

派遣社員とパートの違い

派遣社員とパートの違いは以下のとおりです。

雇用主

パートの場合は、勤務先の企業が雇用主になり、採用面接を経て勤務先企業と直接雇   用契約を結び働きます。

雇用期間

パートは、半期や四半期の期間で有期雇用契約を結んで働き、雇用契約期間が終了する前に契約更新の有無を確認するケースがほとんどです。

同じ職場で働ける期間の上限はありませんが、契約が5年を超えて更新された場合は「無期転換」の申込権が発生し、勤務先企業に無期契約への転換を申し出ることが可能です。

仕事内容

パートは、勤務先の企業から指示された仕事をするのが基本で、仕事の内容は限定的になるケースが多いです

福利厚生

勤務先の企業によって異なりますが、基本的には派遣社員よりもパートの方が福利厚生が充実しているケースが多くなっています。

パートの場合、勤務条件によっては社会保険の加入条件を満たせないケースがありますので、その点には注意してください。

派遣社員として働くメリット

派遣社員という働き方を検討している人は、正社員や契約社員・パートと比べて、どんなメリットがあるのか気になることでしょう。

ここでは、派遣社員として働くメリットの具体例を紹介します。

ライフスタイルに合わせた仕事が選べる

派遣社員のメリットは、ライフスタイルに合わせた仕事が選べることです。

派遣社員として働く場合、派遣会社に登録した後に、自分が希望する勤務条件(勤務時間、勤務日数、勤務地、仕事内容など)を派遣会社に伝え、希望条件に合った求人を紹介してもらいます。

「フルタイム勤務でしっかり働きたい」、「子育てのため時間を制限して働きたい」など、それぞれのケースに合わせて仕事を選ぶことが可能です。

勤務時間がある程度コントロールできるため、プライベートの時間を大事にしながら働きたいという人にはピッタリの働き方になります。

さまざまな職場で経験を積める

さまざまな職場で経験を積めることは、派遣社員のメリットです。

派遣会社からは自分が希望する仕事を紹介してもらえますので、自分のキャリアプランに合わせて、さまざまな職種・職場で業務を経験することが可能です。

また、研究職や品質管理などの理系専門職、マスコミ系やクリエイティブ系など、正社員での採用が難しい仕事でも、派遣社員であれば働けるチャンスがあるため、派遣から経験を積んでキャリアアップを目指すことができます。

パートよりも比較的時給が高い

時給で比較した場合、パートよりも派遣社員の時給は高い傾向にあります。

勤務先の地域や企業によって多少の変動はありますが、派遣社員の平均時給は1,500円〜1,600円、パートの平均時給は1,200円〜1,300円が1つの目安で、派遣社員の方が200円〜400円ほど時給が高い傾向があります。

派遣社員の場合、理系関連やIT関連など、専門性が求められる求人だと、時給2,000円以上の仕事も珍しくありません。

時給契約で仕事をする場合は、パートよりも派遣社員の方が有利と言えるため、専門スキルを持っている人は、派遣社員として働いた方が高い収入を得られるでしょう。

参照記事:研究職の派遣は高時給!気になる平均時給は?

正社員よりも給与が高くなる場合も

派遣社員の給与は、正社員よりも高くなる場合があります。

厚生労働省は令和元年の調査で、大学卒正社員の平均初任給は約21万円と発表しています。

(参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給

派遣社員の給与と比較してみましょう。

例)時給1,500円、1日8時間勤務、月間勤務日数20日(週5日勤務✕4週)のケース

1日の収入 = 1,500円 ✕ 8時間 = 12,000円 

月間の収入 = 12,000円 ✕ 20日 = 240,000円

上記のケースでは、派遣社員の給与の方が正社員の初任給平均よりも約3万円高くなります。

また、より高度で専門的な知識やスキルを要求される仕事は時給がさらに高く、時給2,000円で月20日勤務で試算すると、月間の収入は32万円となり、正社員よりも約11万円高い給与となります。

派遣会社のサポートが受けられる

派遣会社からさまざまなサポートが受けられることも、派遣社員のメリットです。

派遣会社に登録すると、担当者がついて、就職活動のサポートや派遣期間中のトラブル対応、キャリアプランの相談など、たくさんの手厚いサポートが受けられます。

働く上で、困った場合、悩んだ場合に、担当者に相談できるので、安心して仕事に集中できます。

派遣社員として働くデメリット

派遣社員として働くことを検討している人は、デメリットについても把握しておきましょう。

派遣のデメリットは以下で解説します。

雇用の不安定さ

派遣社員は、雇用が不安定であることがデメリットです。

一般的な派遣社員は、派遣先企業が決まってから派遣会社と有期雇用契約を結んで勤務開始となります。

派遣期間=雇用期間となり、派遣期間終了後は、また新たに仕事を探す必要があるため、雇用を安定させるのは難しい場合があります。

毎月の収入をなるべく安定させたい、雇用状態を維持したいという人は、派遣会社の担当者と相談しながら、計画的な勤務と仕事探しをしましょう。

契約更新の制限

派遣社員の契約更新には制限がある点がデメリットになります。

上述した通り、労働者派遣法によって「派遣労働者が同じ事業所で勤務できる期間は最長で3年まで」と定められているため、契約更新には事実上の制限がかかります。

同じ職場で3年以上働くことはできないため、今の職場環境が気に入っているので長く働きたい、今の仕事を続けてより専門性を高めたいと考えている人にとってはデメリットになります。

なお、勤務先でスキルや知識を習得し、仕事の成果をきちんとアピールできれば、派遣先での直接雇用に繋がるということを覚えておきましょう。

勤務先でスキルや知識を習得し、仕事の成果をきちんとアピールできれば、派遣先での直接雇用に繋がるということを覚えておきましょう。

裁量の大きな仕事が少ない

派遣社員は、派遣先で裁量の大きな仕事を任されない可能性があります。

派遣社員の業務内容は、雇用契約時にしっかりと決定され、それに従って仕事をするため、仕事の内容が限定的になりがちです。

さらに、正社員ほどの裁量を持って仕事をすることが難しいケースが多く、サポート寄りの仕事がメインになるイメージです。

もちろん、派遣先企業の方針や求人内容によって、仕事の裁量も変わりますが、基本的には大きな仕事や責任を持った仕事を任されるのは難しいでしょう。

逆に、仕事をする上で、裁量や責任にプレッシャーを感じてしまう人にとっては、仕事内容が限定的な派遣社員の働き方はメリットになるでしょう。

派遣社員に向いている人

派遣社員という働き方には、メリットもデメリットもあります。もちろん、正社員、契約社員、パート・アルバイトも同様です。

では、どんな人に派遣社員は向いているのでしょうか。

以下で詳しく解説します。

参照記事:派遣での働き方はどんな人に向いている?正社員やパートとの違いは?

短期的なキャリアアップを目指す人

派遣社員という働き方は、短期的なキャリアアップを目指す人に向いています。

基本的に派遣社員は、予め定められた派遣期間のみの雇用契約です。

そして、派遣の仕事は、即戦力となる人材、高い専門性を持った人材が求められ、仕事の内容もそれに準じます。

したがって、期間制限がある中でより専門的なスキル・知識の習得が可能となり、計画的に仕事を選択することで短期的なキャリアアップが実現できるのです。

正社員を比較対象にすると、正社員は仕事の内容を自分で自由に選べないため、派遣社員ほど、フレキシブルに短期間に自分の計画通りにキャリアアップすることはできません。

自分が実現したいキャリアが明確に決まっているという人に派遣社員はおすすめです。

プライベートを大切にしたい人

プライベートの時間を大切にしたいという人に、派遣社員は向いています。

派遣社員は、勤務時間や勤務日数、勤務地など希望を派遣会社に伝えれば、希望する条件に合わせて仕事を紹介してもらえます。

プライベートの時間をしっかり確保した上で、仕事ができますので、習い事や勉強でスキルアップをしたり、育児や介護の時間を作ったりと、理想のワークライフバランスが実現しやすくなります。

ライフスタイルの変化によって、勤務時間を増やしたい・減らしたいといった状況が訪れても、柔軟に対応できるのは派遣社員のメリットですので、プライベートを重視して働きたい人は派遣社員という働き方を検討してみるのが良いでしょう。

いろいろな職場を経験したい人

いろいろな職場を経験して、スキルアップしたい、自分に向いている仕事を探したいという人にも派遣社員は向いています。

雇用期間が決まっている派遣社員は、自分が希望する職場で働いた後、また別の希望する職場で働くといったことを、短期間で繰り返すことが可能です。

これにより、自分のスキルアップに必要な仕事を経験しキャリアアップを実現したり、自分にはどんな仕事が合っているのかを実際に経験しながら探したりすることができます。

子育てや介護と両立するための派遣活用法

ここまでお伝えしてきた通り、自分が希望する勤務条件に合わせて仕事を選べる派遣社員は、プライベートの時間をしっかりと確保しながら働けるため、子育てや介護と仕事を両立させることが可能です。

ここでは、育児をしながら働きたい、介護と仕事を両立させたいという人に向けて、派遣社員という働き方の活用法をご紹介します。

派遣での柔軟な働き方とその利点

派遣社員は柔軟な働き方が可能な点が特徴であり、メリットです。

勤務時間、勤務日数、勤務地などの基本の勤務条件について、自分の希望を満たした上で、職種や仕事の内容を選んで働けます。

子育ての都合で平日の午前中だけ働きたい、家族と介護を分担するために土日だけ働きたいといったような場合、正社員では実現が難しいですが、派遣社員ならそれが可能になります。

働きたいけど、働ける時間に制約があるという人は派遣を活用して働くのがおすすめです。

専門性を活かしながらライフスタイルに合わせた働き方

派遣社員という働き方なら、専門性を活かしながらライフスタイルに合わせて働けます。

例えば、お子様の成長に合わせて働く場合、保育園や幼稚園の時は預かり時間だけ勤務、子どもがある程度自立してきたら勤務時間を増やすことも可能です。

また、ご家族の仕事の都合で全国転勤が頻繁に発生する場合でも、派遣社員なら仕事を探しやすく、復職しやすいと言えます。

このように、ライフスタイルに合わせて働きたいという人は、派遣を活用するとストレスなく働くことが可能です。

職場でのサポート制度や環境の整備方法

派遣会社は、派遣社員が安心して働けるようにサポート体制を充実させています。

職場で何かトラブルが発生した場合、派遣会社に報告すれば解決に向けて動いてくれますし、仕事をする上での悩みごとの相談に乗ってくれるので、安心して仕事ができます。

履歴書や職務経歴書の添削、模擬面接など就職活動のサポートや、研修やセミナーなどスキルアップのためのサポートを行っている派遣会社も多く、あなたが希望する仕事に就くまで、サポートを惜しみません。

派遣会社に登録をすれば、充実したサポート制度を利用できますので、就職活動や転職活動に困っている人は派遣会社を上手に活用すると良いでしょう。

まとめ

今回は、派遣社員とその他の雇用形態(正社員、契約社員、パート)との違い、派遣社員として働くメリットとデメリット、派遣社員という働き方はどんな人に向いているかを解説しました。

派遣社員は比較的自由な勤務条件で希望する仕事に就けるため、理想のワークライフバランスを実現できる働き方です。

比較的自由に働けることから、子育てや介護と仕事を両立させたい人にとってもピッタリの働き方になるでしょう。

雇用期間に上限があることを心配する人もいるかもしれませんが、有期雇用契約だからこそ、短期間でのスキルアップやキャリアアップが可能となり、キャリアプランがしっかりしている人にはおすすめの働き方です。

自分らしく働きたい、プライベートを大切にして働きたいという人は、派遣会社に登録をして、自分にあった求人を探してみましょう。

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